戦斧を掲げよ/Raise Your Axe

世界樹の下に繰り広げられる、星界の神々と怪物たちの闘いを目撃せよ。
新たな次元、新たな物語。最新エキスパンション「カルドハイム」は2021年2月5日全世界一斉発売!

MO・MTGAでは2021年1月28日先行リリース!




はい。
いつもの販促、いつもの雑感です。プレリが行われないのは至極残念です。
それでもいつもどおりにレアと神話レア中心、目線は基本的にスタンダードでいっきまーす。



《神に愛された者、シグリッド》

3/2/2、瞬速・先制攻撃・プロテクション(神・クリーチャー)。
白のレジェンダリーにはよくあるキーワード3点盛りに加え、攻撃・ブロック中のクリーチャー1体を追放できるレンジストライク版《放逐する僧侶》能力も備えた優等生。

フラッシュによる奇襲性、先制攻撃によるコンバット適性も相まって強い交換を仕掛けやすいクリーチャー。ブロックと自身の除去能力で1:2を狙えるシーンも多いだろう。
ただ自身のステータスそのものに堅牢さはないため、他のカードで補ってやる必要性はありそうだ。絶賛活躍中の《スカイクレイブの亡霊》とマナ域が被っているが、おそらく併用されるか。個人的には期待の1枚。


《戦闘の神、ハルヴァール》/《領界の剣》

今回の目玉、モードを選べる両面カード。
土地として扱えるゼンディカーの「スペル/土地」ではなく「スペル/スペル」の両面となっており、カルドハイムの神々とそれぞれに縁の深いアーティファクトの組み合わせで1枚のカード。

白の神1人目、ハルヴァールは表面が4/4/4と至って標準的なスタッツを持ったレジェンダリ。カルドハイムの神には破壊不能がついていないらしい、戦闘の神のくせして軟弱な。
オーラと装備品のついた自軍生物全員に二段攻撃を付与する常在型能力と、戦闘開始時に装備品・オーラを自軍生物間で付け替えることのできる誘発型能力を持つ。「既に装備された」装備品しか付け替えの対象にできないので、誰も装備していないものをノーコストでつけたりなどはできない点に注意。あまり融通は効いていない。

裏面《領界の剣》はキャストも装備も2マナの装備品。
装備クリーチャーは+2/+0修正と警戒付与、タフネスに修正はないが死亡時に装備クリーチャーは手札に戻る。《ヴァロレンの有印剣》と同等のコンバット性能を与える。

両面通じて装備ビートを全面に押し出した血の気の多い性能。

二段攻撃を付与する常在はインパクトがあるが、そもそも殴りっ気のあるビートダウンには現状《エンバレスの宝剣》が存在しておりあちらのほうが下準備があまり必要なく使いやすい。色の合う《スカイクレイブの大槌》あたりならなんとか併用しやすくかつ採用意義を見いだせるか。
装備品やオーラの付け替えは、装備やエンチャントするだけのマナの余裕と付け替え先となる生物を用意できている段階で結構余裕のある盤面なのでほぼ死に能力。どちらかというと裏面の装備品を中心に立ち回ことになりそうなカード。
長々と書いておいて評価は低め。


《傑士の神、レーデイン》/《守護者の盾、ヴァルクミラ》


2枚目の白の神、レーデイン。

表面は3/2/3飛行警戒。どう見てもイラストがグリコ。
氷雪土地を全てタップインさせ、4マナ以上の非クリーチャースペルを全て2マナ重くする2種類の妨害能力を持つ。もちろん現代のクリーチャーなので制限がかかるのは相手のみ。

裏面のヴァルクミラは4マナのアーティファクト。
コントローラ及び自軍パーマネントへのダメージを全て1点軽減するプリベント能力、更には呪文・能力の対象にする場合に1マナ追加で要求するリスティック系の耐性も付与してくれるメイン盾。

平均以上のスタッツに実用的な妨害能力を持つ優秀なフライヤー。能力の内容的にどちらかといえばロングゲームデッキへのアンチカードとしての側面が強いものの、汎用性は充分なのでメインから採用できそうだ。レジェンダリーだが除去されやすいスタッツと能力で且つ軽量な表面なので、複数枚積んでも腐りにくいだろう。ただしパンチ力がないので、ビートダウンなら打点面でのフォローが必要か。
加えて両面の神共通の特性だが重ね引いても裏面でプレイすることができるのでユーティリティがあり、特にこのレーデインの場合除去耐性のない表面を裏面がカバーするという点が素晴らしい。その上マナコストも3→4とキレイに繋がりやすい。

個人的な推し枠。氷雪アンチカードということで下環境での需要も見込まれる。
ぜひ4枚確保したい。


《シュタルンハイムの開放》

白4マナのソーサリー。《セラの天使》相当のトークンを生成する。
そのまま使ってもインパクトが薄いが、カルドハイムのメカニズム「予顕」を持っている。
予顕はスペル版変異能力といった体の分割払い能力で、自ターン中2マナで手札から裏向きに追放した後予顕コストを支払うことで追放領域から唱えることができる。イメージとしては遊戯王のリバースカード。
予顕として追放したターンには唱えることができないので即効性はないものの、経由して唱えることでボーナスを得るスペルなども存在している。

この《シュタルンハイムの開放》の場合、予顕コストが(X)(X)(白)となり天使トークンをX体の生成に変換される。5マナでもセラ天2体分ということで見たままのコスパは悪くない。
ただし予顕コストを挟むのでラグがある上にソーサリーなので見た目よりも奇襲性は低い。
現行スタンでは似たようなことができるカードに《エメリアの呼び声》がある。
あちらはスペルとしては重いものの土地としての機能も果たせる汎用性があるのに対し、最低セラ天一匹だけのこちらの有用性はやや低そうか。


《隆盛するスピリット》

青1マナの氷雪クリーチャー。
氷雪マナを逐次つぎ込むことで成長してゆく、《運命の大立者》の系譜に連なるレベルアップ系の能力を持つ。

成長過程は1/1からスタート。2マナで2/3→3マナで4/4飛行→4マナで6/6飛行・カササギ能力(攻撃が通るとドロー)と大型フライヤーに成長してゆく。

つぎ込むマナの総数はキャスト含め10マナと膨大だが、1ターン目に出した後はマナカーブに沿って育てることが可能。
ただ問題は成長につぎ込めるマナが氷雪マナに限定されている点で、理論上の最大値を発揮するためには全てアンタップインの氷雪地形が要求されるので単色デッキでの運用になってしまいがち。成長がラグると途端にバリューが下がる。
レベルアップはインスタントタイミングで可能なので、スタンダードでクロックパーミめいた青単ができれば採用意義を見いだせるが・・・。
ヒストリックの青単とかにはいいカードかもしれない。


《星界の軍馬》

4/3/3瞬速飛行、予顕(2)(青)持ちのペガサス。
予顕コスト(裏向きで追放するコスト)を1マナ軽くして、更に相手ターンでも予顕可能になる予顕のメダリオン的な存在。2体いると0マナで予顕できるようになるのだろうか。

最速3ターン目から登場可能で自身含む後続の予顕呪文を軽くでき、スタッツも標準以上とマナレシオについては申し分ない。色が色だけにクロックパーミ的な運用が想定しやすいが、相手ターンで予顕して自ターンで表にする疑似マナ加速のような使い方もできるだろう。

カードプール内の実用的な予顕カードの枚数がそのまま評価に直結するので今後のカードに期待したい。


《航海の神、コシマ》/《領界船》

青の神コシマ。児島だよ。

表面は3/2/4と防御的なスタッツを持つ。
自ターンのアップキープに自身を追放でき、追放中は土地を置くたび「航海カウンターを乗せる」or「戦場に戻す」のどちらかを選べる。戦場に戻ることを選んだ場合、その時点での航海カウンターが+1/+1カウンターに変換され、更にそのカウンター数分のドロー。

つまり「出した返しに自身が生き残っている」状態で、土地を2枚以上置いてはじめてアドとサイズアップを得られるというひっじょーに気の長い神。緑と組んで土地を置く回数を増やすのが一番現実的だがそれにしても一度こいつを出してターンが帰ってこないといけないのでやたらに悠長。ややこしい割に弱い。

裏面の《領界船》は2/3/3の機体。自身含めた機体のダメージが通るとその数値分相手のデッキを上から追放し、更にその中にある土地カードをプレイできる。
回避能力こそないがアグロ向きのスタッツに加え搭乗も1で乗り手を選びにくい。
現代の追放カードゆえにこいつが場を離れようとも追放した土地はプレイ可能。
相手の土地を奪う事自体は色マナが合わないと旨味は薄めだが相手のデッキを減らしながら自身の土地を伸ばせるので悪くはない。
2/3/3で回避能力のないこいつどこまで殴り続けられるか次第だが、青いアグロに採用できうるか。


《燃えルーンの悪魔》

6/6/6飛行、いつものスタッツな大型デーモン。燃え燃えルンルン。

CIPでライブラリーから2枚をサーチ、相手が片方を選んだ方は手札へ。選ばれなかった方は墓地へいく。要は《けちな贈り物》である。ちなみに1枚だけ選ぶことも同名カードを2枚を選ぶこともできない。

ウーロやクロクサの二択あたりをピンポイントに落とせればなかなか爽快だったがウーロは禁止。スタンダードだとあまり実用的なコンビはないので素直にパワーカードを2枚提示してどちらか選ばせる感じになるだろう。本体がでかいので脅威度はそれなり。
一応けちよろしく釣り竿とリアニ先の生物を提示すれば確実に呼び出せるが、スタンダードでリアニするほどの生物も強力なリアニスペルもないのでそこまでではない。


《ドローガーの屍術師》

4/4/4の氷雪クリーチャー。
対戦相手のクリーチャーが死亡する場合、氷カウンターを載せて追放に置換。
そして氷カウンターが載っているクリーチャーはこいつが場にある限り自分のカードとしてキャスト可能、更に氷雪マナで支払えば色マナも無視できる。

《ゲトの裏切り者、カリタス》ほどではないが相手の墓地利用や死亡誘発を封じることのできるシステムクリーチャー。あちらと違って即座にボードアドバンテージに還元できないがその分相手のカードをそのまま利用できるのが魅力。
後続のドローガーがいれば1枚目が除去されても氷カウンターの載ったクリーチャーは使えるなど融通は効いている。

単体では4/4バニラでしかないため、除去等の併用が前提である。先に述べたとおり即効性もないので盤面を抑えるだけの干渉力のあるデッキ向け。
カリタス同様コントロールやミッドレンジのサイドに忍ばせる形になるか。


《死の神、イーガン》/《死の玉座》

黒の神イーガンは3/6/6接死という驚異的なスタッツを持つストンピィ系クリーチャー。もちろんデメリットはもっており、アップキープに自分墓地のカード2枚の追放を要求される。
ただし死の神は優しいので、コストを支払えない場合は1枚ドローさせてくれた上で死んでいく。

殴りだすまでに墓地に最低2枚必要なので、普通に使っても殴らせてもらえない。何かしら墓地肥やしを併用するか黒なら手札破壊スペルでもなんとか賄えるだろう。生き残れる状態で出せば相手も除去してくれるだけの驚異値を得られる。まあ基本的には裏面とのシナジーが前提の模様。


《死の玉座》は1マナのアーティファクト、自身のアップキープに1枚切削する。
これで燃料を確保し、2枚目以降のイーガンで殴れというデザインなのだろう。
自己完結といば自己完結だが、両面共に早期設置したいカードなので重ね引き前提はやや不安が残る。やはり墓地肥やしが前提か?
ラクドスのような墓地利用含むデッキなら採用しうるだろう。

一応というか、墓地の生物追放でドローできる息切れ防止機能もついており粘り強く戦う機能もある。ヒストリックやパイオニアのラクドスにはいい選択肢になるかもしれない。


《恐怖の神、ターグリッド》/《ターグリッドのランタン》

2枚目の黒の神は5/4/5威迫。
能力の方はなかなか派手で、相手が捨てた/生贄に捧げたパーマネントカードを直接自分の戦場に出せるというもの。
自身の裏面含めた相手リソースへの攻撃要素が別途必要だが、流石にパーマネントのタダ出しは強力。地味に《寓話の小道》のような自身の生贄をコストとする能力の他、パーマネントであればルーター・サイクリングにも反応する。

裏面のランタンは4マナのアーティファクト。
タップで「1枚ディスカード」or「土地でないパーマネントのサクリファイス」or「3点ライフルーズ」の3択を迫る締め上げ系の置物。特にサクリファイスについては強力だが3点ルーズの逃げ道があるので普通に使ってもライフルーズが選ばれてしまう。コントロールライクな締め上げだが、ある程度ライフを詰められるだけの攻撃力は必要だろう。4マナでアンタップもできるのでマナフラ受けにもなっている。

両面合わせて相手リソースへの干渉力が要求されるカード。
表面がハマったときのリターンがでかいので何かしらデッキが組まれそうだ。
個人的には期待値高めの1枚。


《黄金架のドラゴン》

赤のレアドラゴン。
5/4/4飛行速攻の伝統芸能に加えて、「攻撃する」or「呪文の対象になる」たびに宝物トークンを生成し、更に宝物から出るマナを2倍にする常在持ち。

盤面に触れる能力こそもたないがメリット能力4つでこのスタッツが弱いはずがない。マナの使い道は色々考えられるが、対象に取られると反応することを考えれば素直にこいつを守れる防御スペルに充てるのが順当な使い道か。
強さが素直でわかりやすくよく使われそう、ぜひ抑えておきたい。


《揺れ招き》

レア枠の巨人。
5/5/4のスタッツに、ライフゲインを禁止するアグロのてっぺんらしい常在持ち。
更に自分のアップキープに本体2点。恐ろしいことに、巨人さえコントロールしていれば墓地にいても効果を発揮するという恐ろしい執念をもっており、こいつ自身も当然巨人なため連打するほどに火力が上昇していくとんでもないやつ。

地味に予顕コストで4マナで唱えることもでき、土地が4枚で詰まっても安心。
唯一速攻がないため返しの追放除去だけは勘弁だが、前のめりなアグロでぜひ複数枚採用したい。


《怒りの神、トラルフ》/《トラルフの槌》

トールハンマーでおなじみ雷神トールがモチーフの赤の神。

表面は4/5/4トランプルとなかなかにハイスペック。
更に、非戦闘ダメージが対戦相手のクリーチャーorPWに与えられる場合に余剰ダメージを本体に飛ばすいわば「効果ダメージの貫通効果付与」を持つ。
一応《切り離す一撃》のような重めで複数対象に大ダメージを与えるカードと組わせればワンショットがみえてくるがそこまでコンボを狙わずとも単純に素のスペックが高めなので、おまけ程度にとらえてよいだろう。

裏面は2マナの装備品。装備クリーチャーは2マナとタップで《稲妻》を撃てるようになる。ただし能力を起動すると手札に戻ってきてしまう妙なハンマーなので連射力はいまいちで扱いにくい。一応、伝説のクリーチャーに装備されている場合は+3/+0修正もつく。

基本は表面で使って、重ね引きしたり詰めの場面になったらハンマーとして使う感じの割りとオーソドックスなビートダウン向けクリーチャーとしての趣向が強そう。コンボはコンボで面白そうだが。


《老樹林のトロール》

3/4/4トランプル、トリプルシンボルとはいえ非常に高いマナレシオを持ったレアのトロール。最近は感覚がバグってきて初見3/5/5じゃないのかとか寝ぼけてました。

素の殴りスペックも相当だが死亡すると森へのオーラとなりエンチャントされた森は2マナランドとなるほか、土地ごと生贄にすることで再び4/4トランプルのトークンを生成することができる。
自らは高スペックの戦闘能力で先陣を切り、除去されても後続の大型生物に必要なマナを提供、フラッドしたり盤面が空になってもクロックを落とさないトークン生成と非常に多芸な1枚。

ほぼ単色デッキでしか採用できない懸念はあるが、既にスタンダードには緑単という既存アーキタイプの受け皿もあるため活躍に期待が持てる。


《タイヴァー・ケル》

ムキムキエルフの新PWタイヴァー・ケル。
4マナの初期忠誠度3。

常在型能力として自軍エルフ全員が黒マナを出せるようになる。
《深き闇のエルフ》的伝統、カルドハイムのエルフもやはり黒マナと縁深いらしい。
とりあえず展開力がウリのエルフがそのままビッグマナに直結するので強力ではあるだろう。+能力とのシナジーもある。

+1能力は自軍エルフ1体に+1/+1カウンターを載せてアンタップし、接死をもたせる。常在型能力と合わせてマナを増やせる。コンバット面では矮小なエルフでも殴りやすくなる他ケル自身を守る壁も用意できる。相手ターン終了時まで接死が持続すればパーフェクトだったのだが。

+0能力で1/1のエルフトークン生成。
基本能力。上の能力と合わせて自己完結しているので素で使っても仕事ができるのはよい。

-6のエルフをキャストするたび速攻付与&2ドローの紋章授与。
エルフが次々チェインしやすくなる、という奥義。部族で固めていれば勝てる奥義だが初期忠誠度が3で0能力がある都合やや現実味が薄い。奥義を使うと常在型能力がなくなりマナも減るのでややミスマッチか?

総じて名実ともにエルフデッキ専用のPW。
構築のエルフの実力次第な部分が大きいが、食い込めるかどうかは微妙なライン。


《樹の神、エシカ》/《虹色の橋》

緑の神、エシカ。世界樹の神のようだがイラストがちょっとキモい。

表面は3/1/4警戒のオールカラーマナクリ。
ダブルシンボルのレジェンダリとはいえ、3→5ジャンプができて焼かれにくい・ブロックしやすい・いざとなればコンバットもできるとマナクリとしての性能は及第点以上。
もちろん重ね引きすれば裏面へとつなげることができる。

裏面は5色5マナのエンチャント。
毎ターンのアップキープにライブラリからクリーチャーかPWがでるまでめくり続け、最初に出たものを出すというロマンあふれる踏み倒しエンチャ。
5色ということでまずキャストする段階から難儀しそうだが、そこそこ多色地形は充実しているし、表面のエシカや《イリーシア木立のドライアド》を使えばキャスト自体は実はそこまで非現実的でもない。
問題は置いた後に出てくるPWと生物で、色マナサポートのためにマナクリを多用するとそいつらがめくれて可能性がでてきてがっかり感あふれる結果になってしまいかねない。
現行スタンダードにはあまり制圧力の高いPWが多くないのも問題。
《精霊龍、ウギン》は別格だがこのエンチャントやマナクリごと吹き飛ばすので若干もにょもにょ。ロマンはあるんだが。


《霜と火の戦い》

カルドハイムの目玉第二弾、多色英雄譚シリーズ。部族関連のものが多い。
これは青赤、5マナとやや重めの英雄譚。

Ⅰ章は巨人以外の生物とPW全体に4点火力。巨人に当たらない《嵐の怒り》。
カルドハイムでメジャーな巨人が採用されたりすると厄介だが、自分で利用して一方的なラスを狙うこともできるので一長一短。お互いの《砕骨の巨人》が生き残りそうな気がしている。総じてラスとしては不安定になるかもしれない。

Ⅱ章は占術3。英雄譚の効果としては地味と言わざるを得ないが、数値が大きいのでⅢ章への布石としては上等。

Ⅲ章はCMC5以上の呪文を唱える度に《目録》が誘発する。「唱える度」なので適用ターン中に5マナ以上のスペルを連打できれば複数回の誘発も可能。
なかなかそのような状況は起こりにくいが、予顕などを絡めればあるいは。

ラスゴ→ドローの流れから総じてコントロールデッキ向けの英雄譚。
巨人がメジャー部族になった場合や多相持ちが多いと信頼性が落ちるが、《探索する獣》ラインまで落とせるラスゴは優秀。
色的にも個人的期待値高め。


《トロールの歓喜》

赤緑のレア英雄譚。
6マナとこちらも重め。

Ⅰ章は土地破壊。
Ⅱ章は土地をリアニメイト。
Ⅲ章で自分と相手の土地数の差分の4/4トークンを生成する。

要は《ムーンヴォーリーの酸苔》を2ターンかけて行い、最後に4/4を並べるような感じ。
やってること自体は強いが、6マナのカード故土地破壊がハマるかは微妙なところ。Ⅲ章の存在もあり、自分のマナ加速を絡めて早く着地させるほどにリターンが大きい。ただしマナクリによる加速だとⅢ章の恩恵が薄くなるなど意外と気難しい。
既存のランプに入ったりするかは微妙な感じか?


《情け無用のケイヤ》

名前の割にストーリーでは情けの塊みたいになってきたケイヤさん。
ゲートウォッチ入りして以降出番も増え、これで通算4枚目。
今回は5マナの初期忠誠度5。

+1能力は自軍生物1体に「幽体カウンター」を起き、死亡・追放時に1/1飛行のスピリットを残して手札に戻す能力を与える。除去への先起き保険、といった感じでラスゴや追放除去問わず強くなる。ヨーリオンとの相性はあまりよくない。

-3能力は土地でないパーマネント1枚を追放。《完全なる終わり》。
除去としてカウントするには十分。置物にも触れるのが優秀。

-7能力は自ターンアップキープに伝説の呪文を墓地・追放領域からタダで唱えられる紋章。奥義の割に他にもレジェンダリを要求するのは難点だが、最低でも自身を使いまわせるので一応の自己完結はしている。墓地対策されても関係ないのも利点。

+1能力の都合上、ある程度クリーチャーでの攻勢をしかけるタイプのミッドレンジ寄りなデッキで真価を発揮しそうなPW。
白黒というと最近はもっぱら《予言された壊滅》デッキばかりだったが新しい風は吹くのか。


《ニコ・アリス》

こちらも新キャラ、青白のPWニコ。
アモンケットのニッサ以来、久々のマナコストにXを含むPW。

素のキャストは3マナだが、CIPでXに等しい「破片」というエンチャントトークンを生み出す。破片トークンは2マナで占術1→1ドローを行う手がかりの親戚。

+1能力は自軍生物1体をアンブロッカブル化し、ダメージが通るとそいつを手札に戻す。
殴るクリーチャーを用意する必要がある上に何故か手札に戻すので使いにくい。
両面カードを使いまわせとかそういう意味なのかもしれないが流石に。

-1能力はタップ状態のクリーチャーにXダメージ。Xはこのターンにカードを引いた枚数。
破片トークンはドローするのにマナがかかる上、1ドローでしかないのでXは大きくなりにくく除去としては不安定。使いにくい。

-1能力はもう一つあり、こちらでも破片トークンを生成できる。
エンチャントを手軽に用意できるので一部テーロスのカードとはシナジーが見込めなくはないがやはり即座に盤面に影響を与えないので使いにくい。

総じて使いにくい。


《嘘の神、ヴァルキー》/《星界の騙し屋、ティボルト》

まさかのロキ枠にして実は神だったティボルト。どういうオチだよ。

表面は2/2/1、《催眠の悪鬼》に通ずる相手手札へのナイトメア能力を持つ限定的なハンデスクリーチャー。ただし対象は生物限定。
そして追放領域の生物に化けることのできる、ラザーヴと同じようなコスト依存の変身能力をもっている。
低コスト高パワーなクリーチャーに化けられると当然バケモンなので、やはり狙い目は《死の飢えのタイタン、クロクサ》だろう。相手の手札からは抜ければもちろん最高だが、墓地対策で抜いたり脱出の糧になったところを狙えるのもいい。

裏面は赤黒7マナ、初期忠誠度5のPW。

まず戦場に出た時点で紋章が手に入るという他に類をみない能力を持っている。
紋章の内容はティボルトが追放したカードを任意の色マナ支払い扱いで唱えられるというもの。土地もプレイできる。
起動型能力3種もそれに由来するものになっている。


+1能力はお互いのライブラリトップの追放。盤面には影響しないが、紋章のおかげでそのままアドバンテージに繋げられる。紋章のおかげで、ティボルトがいなくなった後でも自分のカードとして使用できる。

-3能力はクリーチャーorアーティファクトの追放。両面の神をどちらの面でも対処できるというデザイン。もちろんこれで除去したカードも自分のカードとして使用できる。

-8能力は墓地を全て追放。上記2つ能力よりもさらに多くのカードを追放できるので大きなアドバンテージが見込める。奥義で忠誠度を使い切ったティボルト自身も状況起因処理で墓地に行った後で追放されるので、奥義直後に自身を戦場に戻すことも可能。

表面のヴァルキーはフィニッシュ級の生物を前方確認しつつ奪うことができ、ティボルトは重いものの一度着地すればカードを奪い続けられるなど総じてロングゲームデッキキラーとしての性質が強そうに感じる1枚。
クリーチャーデッキ相手では手札を奪いやすくても本体が貧弱で除去されやすいため変身する間もなく殺される可能性が高そうだ。
個人的な評価は面白そうだが保留程度のレベル。



以上。両面カード多かったんでめっちゃ長くなっちゃった。
こうしている間にも結構いいカードのプレビューが来ていたので結構期待できそうなカルドハイム。

コロナに負けじとMTG頑張っていきましょう。
ではまた次回、どこかの配信でお会いしましょう。

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