M21のリリースから1週間以上が経過しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先月が全く勝てなかったので正直不安を抱えたまま7月シーズン始まったのですが、心配とは裏腹に意外と今月はラダーの走り込みが効率よく終わり先日無事ミシック到達。

夏休みの宿題終わって余裕もできたことですしざっくりさっくり、M21環境の掴みについてかるーくまとめておきたいかなと思います。主に自分が走り込んでる中でよく当たったアーキ中心で。


●メタゲームの様相について

残念ながら、というべきかわかりませんが現状イコリア環境⇛M21環境に至ってから新しいアーキタイプの目覚ましいブレイクスルーは発見されていないように思います。

体感ですがやはり前環境とほぼほぼ同様に「ティムール再生」がトップメタという前提条件に対して、「バントランプ」と「スゥルタイランプ」が対抗馬、アグロ勢力として「黒単」・「赤単」・「緑単」、更に「ジャンドサクリファイス」・「ラクドスサクリファイス」が追従していけるかといったところでしょうか。

では以下、それぞれのデッキについて所感を少しだけ。


○ティムール再生

禁止改訂による「ルーカファイアーズ」の退場以降、IKO環境不動の王者。
M21から得た戦力は概して多くありませんが、他アーキタイプにも大きなテコ入れが現状見られていないのでその点イーブンといったところ。

お試しというか、キャントリップの枠に《大慌ての棚卸し》を採用したり、実績抜群の《漁る軟泥》が採用されていたりする試験的なパターンもありますが基本骨子は変わりません。今後も環境定義の第一線を張り続けることになるでしょう。

ゲームスピードの遅いデッキに対して強いデッキの性質上、ランプデッキやジャンドサクリファイス等への相性は基本的に良いです。
その分《時を解す者、テフェリー》や《覆いを割く者、ナーセット》等キラーカードとなるPWは多く、アグロデッキからも睨まれているわけですがそれでも各種オンラインの大会で上位に名を連ね続けている現状推して図るべし。
「ティムール再生に勝てるか?」はデッキ選択の上で常に意識していきたいところですね。


○バントランプ

現状変わらずの2番手といったところ、青緑Xランプ双璧の一つ。
スゥルタイと比べての優位点は先にも述べたテフェリーとナーセットを同時採用できる点。
また、対アグロでも無難過ぎる解答として《空の粉砕》も搭載できるなど幅広い受けを作れています。

前環境から変わりませんが、ランプデッキの共通項としてクロックが早いわけではないのでティムール再生とのマッチアップではこの点が足を引っ張り、PWを着地させてコンボを封殺にかかっても、《荒野の再生》を通しておいて《サメ台風》や《厚かましい借り手》から切り替えされるパターンもあり完全無欠とまではいきません。

最近ではティムール再生やランプミラーなどインスタントスピードが重視されるマッチアップでのサイドプランとして、《夜群れの伏兵》を採用するプランが流行している模様。

M21のカードから採用が目立つのは《ムウォンヴォーリーの世捨て人、ジョルレイル》と《精霊龍、ウギン》の2枚。

ジョルレイルはテフェリー・らせん・ウーロ・ハイドロイドとカードを引きながらの行動が多いので噛み合いやすい横並びクロック要員。評価はまだ定まってない印象ですが、《時の支配者、テフェリー》も同時採用してシナジー方面へ寄せるレシピもあるので、それだけの価値あるカードのようですね。

ウギンについてはいうことなし、過去のスタン同様非常に高い制圧力を持つPWです。ただ、こちらはバントランプでの採用率は意外と高くない印象。理由として考えられるのはテフェリーら3マナPW群を筆頭に、割合パーマネントを並べるのでウギンの-X能力との相性がよくないためでしょうか。先に述べたジョルレイルも相性よくないですね。

次に述べるスゥルタイもそうなんですが、採用候補となりうるカードが多すぎて60枚として収めるのがマナベースの時点から既に難しいのが青緑Xランプ。
今後も流行り廃りは出るでしょうがメタゲームには食い込み続けるでしょう。


○スゥルタイランプ

青緑ランプの双璧・・・ではありますがメタゲーム支配率的にはバントの後塵を拝するイメージが強いスゥルタイ。
バントランプとの最大の差異は《戦争の犠牲》を採用できる点。
《世界を揺るがす者、ニッサ》への強烈なアンチカードでありランプミラー、特に《エルズペス、死に打ち勝つ》を擁するバントランプに対する大きなアドバンテージとなります。

除去色の黒ではあるものの対アグロに対する解答、もといラスゴの選択肢については《肉儀場の叫び》、《煤の儀式》、《絶滅の契機》とどれも一癖あるため白のラスゴと比してやや汎用性に欠けています。アグロが決して得意、というわけではありません。
また白抜きで3マナのテフェリーを採用できずティムール再生へのガードがバントに比べて下がる都合、アンチ再生への定番カードとして《思考のひずみ》がサイドに搭載されることが非常に多いです。

総じてバントよりやや尖ってしまうものの、メイン・サイド共にカード単位でクリティカルなカードを用意しうるデッキ、なイメージでしょうか。「このデッキにはA、あのデッキにはB」な感じなのである種ピーキーともいえます。

M21のカードで見た場合には、バントと比べこちらはジョルレイルよりもウギンのほうが採用率が高い印象が強いです。テフェリーがいない分キャントリップの枠が少なくなっていてジョルレイルとのシナジーが薄まり、その分バントよりもウギンの-X能力で巻き込むパーマネントの種類も少なめです。どっちがどっち、と一概に比較できるわけではないのですが。


○黒単アグロ

個人的には現状単色アグロデッキの中で頭一つ抜けているといっていいと思われるデッキ。Cygames所属の覚前選手がシーズン初日早々にミシックランク到達したデッキとして大きく話題になっています。

黒単アグロ自体は、前環境からぽつぽつと見かけていた程度のデッキパワーなイメージが拭いきれませんでしたがM21のカードから《悪魔の抱擁》が加わって一気に覚醒、痒いところどころか肝心なところに手が届いていなかった除去の面でも《取り除き》《闇の掌握》と一気に充実した感があります。

アグロデッキながら《朽ちゆくレギサウルス》《騒乱の落とし子》《悪ふざけの名人、ランクル》等骨太なクロックが魅力的。いままでは全体除去での疲弊が大きく、息切れした後ウーロやハイドロイド相手に立ち往生するシーンが多かったのですが《悪魔の抱擁》で強引な突破が可能となっています。

基本的な動き自体は単純でプレイ方針も明確なので、ラダーで走り込むデッキに迷っている方にはとりあえずおすすめできると思います。


○緑単アグロ

黒単とは逆に、あまりいい印象を持てていないのがこちら。
確かに《探索する獣》《水晶壊し》等コスパに優れた生物や、M21からも《ガラクの先触れ》《漁る軟泥》とカード単位では光る強化はそこそこもらっているのですが緑単で組むことによって得られる恩恵が薄いのが主な要因。
緑単にすることによって採用できるカードも《アーク弓のレインジャー、ビビアン》くらいしかバリューが高いカードがなく、緑の特殊地形である《ギャレンブリグ城》も高マナ域へのアクセスカードなのでアグロ的なデッキ性質には噛み合いません。

黒単と比べて息切れ防止策にも乏しく、ハンデスもアド源もないので相手リソースへの攻撃も対抗もできず、横並びデッキの割にラスへの対策も《英雄的介入》程度がせいぜいなためデッキ全体としてのマイナス評価が拭えません。ラダーではそこそこマッチアップしましたが、基本高い水準の「ブン回り」が要求されているようなピーキー感否めず。徐々に淘汰されていくかなと思っています。


○赤単

エルドレインとテーロスでの大幅強化以来、今までと何ら変わらないただ一つのアグロ。デッキパワーは既に長らく証明済みという感じで、特に大きなレシピの変化こそないものの今まで通りの構成でちらほらとトーナメント上位に食い込んできている、ようです。

ただ黒単と比してみると、本体火力弱体化キャンペーンの一途を辿るカードプールの逆風を受け爆発力はあれどアグロにほしい「あとひと押し」が足りない印象が拭えない感じ。

弱いわけではないんですが迫力不足?くらいの感触。ラダーでもめっきりあたらなくなりました、BO1とかでは相変わらず人気みたいですが。




ラダーでよくあたったのはこの辺ですかね。
サクリファイス系とか青白・青黒コントロール系も紹介しようかなとちょろっと思ったんですけどメタ情勢的にどっちも厳しそうな感があるのでやめときます。

ティムール再生VS青緑ランプ >>単色アグロ

的な勢力図なわけですかね、今んとこは。まあM21シーズンも始まったばかりですし、今週末には大型オンライン大会「Red Bull Untapped」も開催されてメタの全体像が見えてくると思ってます。
とりあえず言語化できそうな時にしとけということで。

ではまた次回。
次こそテーブルトップでお会いしたいところですけど。

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