イコリア:巨獣の棲処 プレビュー雑感
2020年4月14日 環境考察(スタンダード)「怪物にも上には上がいる/There’s Always a Bigger Monster」
「君だけの相棒と、戦え。」
新エキスパンション、「イコリア:巨獣の棲処」は日本では4月17日発売!
遅くなりました、いつもの販促にいつもの雑感です。
コロナ騒ぎで発売時期がなんとやら、店舗の負担がうんとやら、ゴジラとコラボでうんたらかんたら・・・とゴッタゴタの春エキスパンションですが皆様いかがおすごしでしょうか。僕は別にイラストにもコラボにもこだわり興味その他感情を動かされるサムシングがねーですもんで、そこまで盛り上がりも盛り下がりもなかったりねかったりいまそがり。
んじゃまあ以下雑感所感大局観、ざっくりさっくり適当に、レア・神話レア中心のスタン目線でいっきまーす。ちぇけらー。
・《奇妙な根本原理》
「10年以上完成を皆が待ちわびたサイクル」っつーことで皆が「レア土地だ!」と議論かわしてたのを尻目に選ばれたのは根本原理でした!というオチ。いやまあ待っていなかったかと言われると嘘になるような、ならんような。
今回の根本原理は楔(くさび)3色、トップバッターに紹介するのはアブザンカラー。
内容はいたってシンプル、同名カード被りなしでのパーマネントカード一斉リアニメイト。PWだろうが土地だろうが名前さえ被っていなければまとめて墓地からどーん。書いてることは言うまでもなく派手だが、使うデッキがあるのかは正直謎。《ティマレット、死者を呼び出す》《伝承収集者、タミヨウ》とか墓地肥やしのできるパーマネントってスタンでは実用範囲のものはあまり多くないので難しい。
ただまあ、《戦慄衆の復活》がまあまあ使われていたことを考えるとそこまでネタ寄りみたいな評価を下すのも早計な気がする、今後に期待。
・《発生の根本原理》
ティムールカラーの根本原理。
デッキトップ5枚の中から、パーマネントカードをすべて戦場に。残りは手札へ。《歓楽者ゼナゴス》の奥義ハイパー強化版。
最悪の場合7マナの5枚ドローだが、まあそんなアホな構築はしないので普通のデッキだと期待値的には「ランパン×2+パーマネント1~2枚」くらいになるだろう。必然パーマネントをたくさんいれてるデッキで真価を発揮するわけだが、この色だとマナ加速からのスーパーフレンズめいたことしか思いつかない。ティムールエレメンタルにこれ撃たれて《裏切りの工作員》と《深海住まいのタッサ》一度に揃えられて台パンする自信だけはあるが。このサイクル、いかんせん大味すぎてデッキを想像するのが難しい。
ちなみにサイクル中、これとスゥルタイの根本原理のみ解決に際し追放される。
回収系パーマネントから連鎖することを嫌ったのか?
それだとアブザンも同じな気もするが、あっちは墓地に送るひと手間がある故かね。
・《見事な根本原理》
お見事ォ!
ジェスカイの根本原理は「5点火力+5枚ドロー+5点ゲイン」。
初見でわかりやすく「コントロールデッキのゴールです」みたいな顔してるスペルだなーという印象。かの《残酷な根本原理》と比べると、除去したいパーマネントを狙い撃ちにできる点とドローの枚数で上回る点で優るが、黒ではないためにハンドを攻められない点で劣る。相手の反撃の芽を摘むことができないのは大きな差異だろう。
現代スタンダードに目を移せば、正味5点火力程度じゃ今どきのPWは落ちなかったり、7マナという重さに加え色対策にひっかかりやすい三色と見えてるだけでも現状から課題はあるがそれでも使ってみたくなる派手さを備えた一品。
ジェスカイの力見せてやんよ。
・《破滅の根本原理》
マルドゥの根本原理は相手の土地以外のパーマネントをすべて破壊。
ハイパー《疫病風》、あるいは追放が破壊になった《王神、ニコル・ボーラス》の奥義。
7マナ払って盤面吹っ飛ばすだけなら多分使われない。1マナ軽い《次元の浄化》でほぼ同じことができるので、よほど一方的リセットに価値を見いださなければそちらを使うだろう。土地までふっとばしてくれるんなら流石に使われただろうが、それだと7マナじゃ収まらないね。
《戦争の犠牲》の書式にしてくれていれば、《世界を揺るがす者、ニッサ》を土地ごと吹き飛ばせたのだが・・・まあだからなんだって感じだけど。
・《出現の根本原理》
スゥルタイの根本原理。
ライブラリーから単色のカードを3枚選択し公開、相手がその中から1枚選ぶ。
選ばれたカードは追放され、残りの2枚をタダでキャストする。
ざーっくりいえば単色限定になった代わりに超絶強化された《直感》めいたもの。
使い方はすまん、わからん(丸投げ)
一応パイオニア以下の環境では既に撃つだけで勝利できる組み合わせが発見されているようだが実際どうなのだろうか。
ちなみにというか、例によって《時を解す者、テフェリー》がいると無力なスペルになります。あのハゲ早くローテ落ちしてくれませんかねホント。
・《サメ台風》
B級映画屈指の話題性を誇るシャークネードがまさかのカード化。
イコリアではサメは飛ぶものらしい。
6マナのエンチャントで、非生物スペルをキャストするたびにそのスペルのCMCに等しい飛行サメトークンを生成するシステムエンチャント。
加えて「(X)(1)(青)」でのサイクリングを持ち、サイクリング時にXの値に等しいサメトークンを生成することも可能。
能力自体は《機械医学的召喚》に《正義の命令》のサイクリング誘発をくっつけたような塩梅で、コントロールデッキのフィニッシャーとしての適性に優れる1枚。
トークン生成サイクリングに着目すると、カードを引きつつサイズ可変の飛行クロックを用意できる点は優秀。ただマナレシオ自体はそこまででもなく、大型サイズのクロックを作りに行くころにはこれを素貼りできるだろう。正義の命令と比較しても横広がりではないので対処されやすい。
ただ、これを素貼りしても別途スペルを用意してあげる必要があるうえ返しで《エルズペス、死に打ち勝つ》なりテフェリーにバウンス食らうなりすると悲しくなる性能。どっちの用途にしても帯に短し云々。
コントロールデッキのミラー用サイド要員という狭い用途に限っても、《終局のはじまり》というライバルがいるのでそこに切り込んでいけるか注目。
・《さまよう怪物、イダーロ》/《逃れ得ぬ災厄、ゴジラ》
コラボレートにより、シン・ゴジラのイラストを与えられた赤の怪物イダーロ。
7/8/8速攻トランプルのスペックを持つファッティ、2マナでのサイクリングが可能。マナレシオはレジェンダリーなりにいいものを備えているといった感じ。
そして最大の特徴は、サイクリングする際に墓地へは行かずライブラリへ戻り、ゲーム中に4回以上これをサイクリングしている場合は直接戦場へ出てくるというもの。8/8速攻トランプルが事実上打ち消し不可のインスタントタイミング且つ2マナで登場するというのは流石に強烈だが、4回以上という条件は非常に厳しい。
素出しが現実的なラインまでマナが伸びるデッキで、且つインスタントタイミングでの行動を重視できるデッキでならサイクリング前提で4枚積むことも許容しうるだろうか。イゼットフラッシュを高マナ域に寄せて重くし、ひたすらゴジラが出るまでパーミする「カウンターゴジラ」なんぞは成立しうる・・・のか・・・?
あとこれは性能の話ではないのだが単純にサイクリングした回数を記録しておくのが非常に面倒。
このカードに限った話ではないが、イコリアではテーブルトップで実際に運用する際に問題が生じやすいカードが多数存在しているのでいよいよ紙の時代の終焉を思わせてしまい、紙派の俺としては悲しいものがある。
・《スナップダックスの神話》
単色のスペルながら、楔(くさび)三色のマナを支払って唱えることで能力が向上する「神話」スペルサイクル(神話レアではないのがややこしい)
白の神話は《大変動》系のパーマネント種類別のサクリファイス要求。
通常は《激変の機械巨人》と同じく残すパーマネントを相手に選ばせてしまうが、マルドゥカラーのマナを支払うことで残すパーマネントをこちらが選べるようになり、1マナ軽い《悲劇的な傲慢》に変貌する。
悲劇的な傲慢自体はそこそこ使われたカードなので個人的には期待できる1枚だと踏んでいるがいかんせんマルドゥカラーは色が弱いというイメージが拭えない。何かしら居場所が見つかるといいのだが。
・《イルーナの神話》
青の神話は自軍パーマネントのコピートークン生成。
そのままだとキッカーのない《複製の儀式》程度だが、ティムールカラーのマナで支払うことにより生成したコピートークンと相手生物で格闘することができるようになる。
地味にパーマネントをコピーできるスペルは珍しい、PWには伝説性があるので無意味だがエンチャントやファクト、果ては土地もコピー可能。
実際のとこ、構築に限って言えばいまひとつパンチに欠ける1枚。
そもそもコピー生成はあまり強いスペルではないが、そこに向上させてついてくるのが《捕食》ではなんとも。せめてインスタントで唱えられればよかったのだが。
何より、せっかくパーマネントならなんでもコピーできるという特徴を、格闘させるというボーナスが殺してしまっているのが大きなマイナスポイント。
もうちょっとなんとかならんかったか。
・《ネスロイの神話》
黒の神話はパーマネント破壊。
黒マナだけでは生物しか破壊できないが、アブザンカラーのマナを支払うことで範囲が《大渦の脈動》相当まで広がり万能除去へと変貌する。しっかりとインスタントであり、向上なしでも色拘束の緩い《殺害》相当の性能をもっているため十分実用圏内。デメリットもなくなんでも破壊できるのは流石に強い、アブザンカラーのデッキならまず採用したい除去になるのでは。
・《ヴァドロックの神話》
赤の神話は生物・PWへの5点割振火力。
ジェスカイカラーのマナを支払うことで、ダメージを与えられたパーマネントは次ターンまで攻撃・ブロック・起動型能力が使用不可になる。
お察し。リミテでどうぞ。
・《ブロコスの神話》
緑の神話は墓地のパーマネント2枚の回収。2倍《自然のらせん》。
スゥルタイカラーのマナを支払うことで、《納墓》もついてくるぞ!
回収はパーマネントに限られているが、ライブラリから落とすカードタイプには制限がないんだ!
はい。まあ基本スタンで盤面触らない重めのスペルはよっぽど強くないと使われないので難しいじゃないんですかね。
まあでもウーロとかを墓地に置きながら墓地のPW回収とかは結構強そうなんでスゥルタイランプで息切れ防止にピン刺しとかそういうことはできるんじゃないですか。そんな感じ。ハイ次。
・《怪物の代言者、ビビアン》
登場したのは昨年の基本セットながら、既に6枚目になる地味な優遇枠ビビアンさん。
今回は5マナで登場、初期忠誠度は3と控えめ。
WAR以来続く悪しき慣習、常在型能力持ちのPW。内容は《ガラクの大群》と同じくライブラリートップのクリーチャーカードをプレイできるというもの。生物限定の《未来予知》だが、そこは現代のPWということでトップを公開する必要はなくコントローラーがいつでも見れる方式。
単体でアドバンテージ源になれる以上、強力な能力ではあるだろう。
+1能力は3/3のトークン生成。緑らしくサイズに優れるうえ、トランプル・警戒・到達の中から一つを選べる嬉しいおまけつき。基本的に警戒を選ぶことになるだろうが、緑のミッドレンジは大抵の場合対空性能が低いので到達が選択肢にあるのはありがたいところ。
-2は次にキャストする生物と同コスト以下の生物をライブラリーからリクルートする遅延誘発付与。コスト参照で一回ポッキリの《野生のつがい》のようなもの。単純に生物が倍加するに等しいわけで強い能力ではあるが、いかんせんこれをキャストしたターンに起動できることはほぼないだろうから返しのターンを生き残ってナンボ、という話になる。
常在型能力の性質と合わせ「決まれば爆アド!」なタイプのPWであり、生き残りやすさがバリューに直結することになるだろう。
・《古き道のナーセット》
ドヤ顔カンフーハイキック姉貴オッスオッス!
PWとしては3枚目となるナーセットはついにジェスカイカラーを冠することに。
(ジェスカイ道時代の記憶は歴史改変で失われたはずじゃ・・・?)
今回は4マナで初期忠誠度4。
+能力はジェスカイカラーいずれか一色のマナ生成、用途は非生物スペル限定。2点ゲインのおまけつき。この色でのマナ加速はスタンでは珍しい、出たターンに有効活用するには1マナのスペルが必須なのはやや気になるもののゲインつきなので完全に無駄にはなりにくい。マナ域的に見ると4-6ジャンプになるので強そうに見えるが、非生物で考えるといまのとこ《目覚めた猛火、チャンドラ》くらいしか思いつかないのはやや気がかりか。
継続的なゲイン装置としてみることもできるので、対アグロでの硬さも評価したいところ。
-2はルーター+αの変則除去。ワンドローから任意でディスカードし、捨てたカードのCMCに等しいダメージを対象の生物orPWへ与える。ディスカードが任意なのが中々素晴らしく、単純にドローとしても使える上に自身の重ね引きをおのずからケアしてくれるのは融通がきいている。
その代わり除去としての癖が強いのは否めないが、高CMCのカードを弾にすること自体は次のマナ域である《エルズペス、死に打ち勝つ》と相性がいいといえる。
-6は「非生物スペルを唱える度に《ショック》が誘発」する紋章付与。《反逆の先導者、チャンドラ》の奥義を考えると些か地味だがあちらが強すぎるだけであり、こちらも十分強力である。登場ターンには忠誠度が5であると考えれば奥義が非常に早い部類。
ナーセットから決めろ!根本原理!
みたいなくっそ渋いコントロール組みてえなあおい。
・《永遠の頂点、ブロコス》/《結晶怪獣、スペースゴジラ》
今回の目玉キーワード、「変容」を持つ禊(みそぎ)楔3色の頂点生物サイクル。
すべてゴジラシリーズのコラボイラストを所持しています。
変容は色々ルーリング的にややこい部分があるのですが、以下ざっくり特徴を述べておきます。わからん人はググれ。
あーめんどくせこのメカニズム。
んで、肝心のスペースゴジラ・・・もといブロコスはスゥルタイカラーの5/6/6トランプル。これだけだとただマナレシオがちょいといいだけのフレンチバニラですが、墓地から変容することができる能力を持っているのが最大のウリ。
変容には6マナ必要ですが、種さえ用意してやれば何度でも墓地からでてくる6/6トランプル+αは中々の脅威になりうるか。テフェリーとかペス勝つはやめろ。
・《願いの頂点、イルーナ》/《宇宙の帝王、キングギドラ》
キングギドラだー!!
ティムールカラーの頂点は5/6/6飛行トランプル、この《茨の騎兵》でも止まらないサイズは驚異的、素のボディはこいつが一番強いかも。
変容するたびに、ライブラリートップから土地以外のパーマネントが出るまでめくり続け最初に出たものを出すというアドバンテージ能力持ちで、5マナにして既にサイズ能力両面でマスト除去を要する生物。マナ加速から4T目とかに出てくるとあわあわしそう。テフェリーはマジでやめろ。
・《雷の頂点、ヴァドロック》/《翼竜怪獣、ラドン》
ジェスカイカラーの頂点は3/3/3飛行先制攻撃・・・あれなんかサイクルの中じゃ随分ちっちゃくね?
まあこのマナ域のフライヤーだと《厚かましい借り手》に相打ちをとられないというのは重要なのでそこは合格か。
変容するたびの能力は墓地のCMC3以下の非生物スペルをマナ・コストを支払うことなく唱えるというもの。本人の軽さのせいで墓地利用とは若干噛み合っていない印象を受けるが、WARが誇る強力な3マナPW群も対象にできるというのは中々のやり手感。例によってテフェリーがいると変容能力が無力化される・・・おいマジでこのハゲなんとかならんか、新しいメカニズム全部殺されてない?
幸いこいつの場合軽さと飛行も相まって忠誠度の減ったテフェリーを殴りやすいのでマシな部類だが・・・。
・《死の頂点、ネスロイ》/《植獣形態、ビオランテ》
アブザンの頂点は5/6/6接死絆魂。
ライフリンクはまあ申し分ないが、デスタッチは例によって黒タイタン感覚か。
トランプルほしかったな。
変容能力は変容するたびに墓地のクリーチャーのマナ・コストが合計10以下になるようにリアニメイト・・・って派手だなおい。
流石にその派手さがあるもんで、変容コストは7マナと重め。
釣れる幅がでかすぎて、何らかの墓地肥やしでも併用しないとコストが余るレベルになってしまう可能性すらある派手さ。こんだけ派手ならちょっと使ってみたくなるよね。
・《猟の頂点、スナップダックス》/《伝説怪獣、キングシーサー》
「伝説って?」「ああ!それって、キングシーサー?」
マルドゥの頂点は4/3/5二段攻撃、変容するたびにPWか生物への4点ドレイン火力を放つ。
・・・すいませんマルドゥカラーはデッキを想像できなさすぎてコメントできない。単純に前のめり気味に組んだデッキで採用されるんだろうけどこの色だと4マナ域はライバルが多すぎる上にその上で活躍具合がイマイチなイメージしかなくてなんとも。
今回はとりあえずこんなとこで。
いろいろ細かいとこ気になってるカードも多いんですけど、とりあえずアリーナで試してきながら考えていきたいと思うます。
ではまた次回・・・次はどこでお会いできるでしょうねえ。
はやいとこお店で紙をしばきたいぜ。
「君だけの相棒と、戦え。」
新エキスパンション、「イコリア:巨獣の棲処」は日本では4月17日発売!
遅くなりました、いつもの販促にいつもの雑感です。
コロナ騒ぎで発売時期がなんとやら、店舗の負担がうんとやら、ゴジラとコラボでうんたらかんたら・・・とゴッタゴタの春エキスパンションですが皆様いかがおすごしでしょうか。僕は別にイラストにもコラボにもこだわり興味その他感情を動かされるサムシングがねーですもんで、そこまで盛り上がりも盛り下がりもなかったりねかったりいまそがり。
んじゃまあ以下雑感所感大局観、ざっくりさっくり適当に、レア・神話レア中心のスタン目線でいっきまーす。ちぇけらー。
・《奇妙な根本原理》
「10年以上完成を皆が待ちわびたサイクル」っつーことで皆が「レア土地だ!」と議論かわしてたのを尻目に選ばれたのは根本原理でした!というオチ。いやまあ待っていなかったかと言われると嘘になるような、ならんような。
今回の根本原理は楔(くさび)3色、トップバッターに紹介するのはアブザンカラー。
内容はいたってシンプル、同名カード被りなしでのパーマネントカード一斉リアニメイト。PWだろうが土地だろうが名前さえ被っていなければまとめて墓地からどーん。書いてることは言うまでもなく派手だが、使うデッキがあるのかは正直謎。《ティマレット、死者を呼び出す》《伝承収集者、タミヨウ》とか墓地肥やしのできるパーマネントってスタンでは実用範囲のものはあまり多くないので難しい。
ただまあ、《戦慄衆の復活》がまあまあ使われていたことを考えるとそこまでネタ寄りみたいな評価を下すのも早計な気がする、今後に期待。
・《発生の根本原理》
ティムールカラーの根本原理。
デッキトップ5枚の中から、パーマネントカードをすべて戦場に。残りは手札へ。《歓楽者ゼナゴス》の奥義ハイパー強化版。
最悪の場合7マナの5枚ドローだが、まあそんなアホな構築はしないので普通のデッキだと期待値的には「ランパン×2+パーマネント1~2枚」くらいになるだろう。必然パーマネントをたくさんいれてるデッキで真価を発揮するわけだが、この色だとマナ加速からのスーパーフレンズめいたことしか思いつかない。ティムールエレメンタルにこれ撃たれて《裏切りの工作員》と《深海住まいのタッサ》一度に揃えられて台パンする自信だけはあるが。このサイクル、いかんせん大味すぎてデッキを想像するのが難しい。
ちなみにサイクル中、これとスゥルタイの根本原理のみ解決に際し追放される。
回収系パーマネントから連鎖することを嫌ったのか?
それだとアブザンも同じな気もするが、あっちは墓地に送るひと手間がある故かね。
・《見事な根本原理》
お見事ォ!
ジェスカイの根本原理は「5点火力+5枚ドロー+5点ゲイン」。
初見でわかりやすく「コントロールデッキのゴールです」みたいな顔してるスペルだなーという印象。かの《残酷な根本原理》と比べると、除去したいパーマネントを狙い撃ちにできる点とドローの枚数で上回る点で優るが、黒ではないためにハンドを攻められない点で劣る。相手の反撃の芽を摘むことができないのは大きな差異だろう。
現代スタンダードに目を移せば、正味5点火力程度じゃ今どきのPWは落ちなかったり、7マナという重さに加え色対策にひっかかりやすい三色と見えてるだけでも現状から課題はあるがそれでも使ってみたくなる派手さを備えた一品。
ジェスカイの力見せてやんよ。
・《破滅の根本原理》
マルドゥの根本原理は相手の土地以外のパーマネントをすべて破壊。
ハイパー《疫病風》、あるいは追放が破壊になった《王神、ニコル・ボーラス》の奥義。
7マナ払って盤面吹っ飛ばすだけなら多分使われない。1マナ軽い《次元の浄化》でほぼ同じことができるので、よほど一方的リセットに価値を見いださなければそちらを使うだろう。土地までふっとばしてくれるんなら流石に使われただろうが、それだと7マナじゃ収まらないね。
《戦争の犠牲》の書式にしてくれていれば、《世界を揺るがす者、ニッサ》を土地ごと吹き飛ばせたのだが・・・まあだからなんだって感じだけど。
・《出現の根本原理》
スゥルタイの根本原理。
ライブラリーから単色のカードを3枚選択し公開、相手がその中から1枚選ぶ。
選ばれたカードは追放され、残りの2枚をタダでキャストする。
ざーっくりいえば単色限定になった代わりに超絶強化された《直感》めいたもの。
使い方はすまん、わからん(丸投げ)
一応パイオニア以下の環境では既に撃つだけで勝利できる組み合わせが発見されているようだが実際どうなのだろうか。
ちなみにというか、例によって《時を解す者、テフェリー》がいると無力なスペルになります。あのハゲ早くローテ落ちしてくれませんかねホント。
・《サメ台風》
B級映画屈指の話題性を誇るシャークネードがまさかのカード化。
イコリアではサメは飛ぶものらしい。
6マナのエンチャントで、非生物スペルをキャストするたびにそのスペルのCMCに等しい飛行サメトークンを生成するシステムエンチャント。
加えて「(X)(1)(青)」でのサイクリングを持ち、サイクリング時にXの値に等しいサメトークンを生成することも可能。
能力自体は《機械医学的召喚》に《正義の命令》のサイクリング誘発をくっつけたような塩梅で、コントロールデッキのフィニッシャーとしての適性に優れる1枚。
トークン生成サイクリングに着目すると、カードを引きつつサイズ可変の飛行クロックを用意できる点は優秀。ただマナレシオ自体はそこまででもなく、大型サイズのクロックを作りに行くころにはこれを素貼りできるだろう。正義の命令と比較しても横広がりではないので対処されやすい。
ただ、これを素貼りしても別途スペルを用意してあげる必要があるうえ返しで《エルズペス、死に打ち勝つ》なりテフェリーにバウンス食らうなりすると悲しくなる性能。どっちの用途にしても帯に短し云々。
コントロールデッキのミラー用サイド要員という狭い用途に限っても、《終局のはじまり》というライバルがいるのでそこに切り込んでいけるか注目。
・《さまよう怪物、イダーロ》/《逃れ得ぬ災厄、ゴジラ》
コラボレートにより、シン・ゴジラのイラストを与えられた赤の怪物イダーロ。
7/8/8速攻トランプルのスペックを持つファッティ、2マナでのサイクリングが可能。マナレシオはレジェンダリーなりにいいものを備えているといった感じ。
そして最大の特徴は、サイクリングする際に墓地へは行かずライブラリへ戻り、ゲーム中に4回以上これをサイクリングしている場合は直接戦場へ出てくるというもの。8/8速攻トランプルが事実上打ち消し不可のインスタントタイミング且つ2マナで登場するというのは流石に強烈だが、4回以上という条件は非常に厳しい。
素出しが現実的なラインまでマナが伸びるデッキで、且つインスタントタイミングでの行動を重視できるデッキでならサイクリング前提で4枚積むことも許容しうるだろうか。イゼットフラッシュを高マナ域に寄せて重くし、ひたすらゴジラが出るまでパーミする「カウンターゴジラ」なんぞは成立しうる・・・のか・・・?
あとこれは性能の話ではないのだが単純にサイクリングした回数を記録しておくのが非常に面倒。
このカードに限った話ではないが、イコリアではテーブルトップで実際に運用する際に問題が生じやすいカードが多数存在しているのでいよいよ紙の時代の終焉を思わせてしまい、紙派の俺としては悲しいものがある。
・《スナップダックスの神話》
単色のスペルながら、楔(くさび)三色のマナを支払って唱えることで能力が向上する「神話」スペルサイクル(神話レアではないのがややこしい)
白の神話は《大変動》系のパーマネント種類別のサクリファイス要求。
通常は《激変の機械巨人》と同じく残すパーマネントを相手に選ばせてしまうが、マルドゥカラーのマナを支払うことで残すパーマネントをこちらが選べるようになり、1マナ軽い《悲劇的な傲慢》に変貌する。
悲劇的な傲慢自体はそこそこ使われたカードなので個人的には期待できる1枚だと踏んでいるがいかんせんマルドゥカラーは色が弱いというイメージが拭えない。何かしら居場所が見つかるといいのだが。
・《イルーナの神話》
青の神話は自軍パーマネントのコピートークン生成。
そのままだとキッカーのない《複製の儀式》程度だが、ティムールカラーのマナで支払うことにより生成したコピートークンと相手生物で格闘することができるようになる。
地味にパーマネントをコピーできるスペルは珍しい、PWには伝説性があるので無意味だがエンチャントやファクト、果ては土地もコピー可能。
実際のとこ、構築に限って言えばいまひとつパンチに欠ける1枚。
そもそもコピー生成はあまり強いスペルではないが、そこに向上させてついてくるのが《捕食》ではなんとも。せめてインスタントで唱えられればよかったのだが。
何より、せっかくパーマネントならなんでもコピーできるという特徴を、格闘させるというボーナスが殺してしまっているのが大きなマイナスポイント。
もうちょっとなんとかならんかったか。
・《ネスロイの神話》
黒の神話はパーマネント破壊。
黒マナだけでは生物しか破壊できないが、アブザンカラーのマナを支払うことで範囲が《大渦の脈動》相当まで広がり万能除去へと変貌する。しっかりとインスタントであり、向上なしでも色拘束の緩い《殺害》相当の性能をもっているため十分実用圏内。デメリットもなくなんでも破壊できるのは流石に強い、アブザンカラーのデッキならまず採用したい除去になるのでは。
・《ヴァドロックの神話》
赤の神話は生物・PWへの5点割振火力。
ジェスカイカラーのマナを支払うことで、ダメージを与えられたパーマネントは次ターンまで攻撃・ブロック・起動型能力が使用不可になる。
お察し。リミテでどうぞ。
・《ブロコスの神話》
緑の神話は墓地のパーマネント2枚の回収。2倍《自然のらせん》。
スゥルタイカラーのマナを支払うことで、《納墓》もついてくるぞ!
回収はパーマネントに限られているが、ライブラリから落とすカードタイプには制限がないんだ!
はい。まあ基本スタンで盤面触らない重めのスペルはよっぽど強くないと使われないので難しいじゃないんですかね。
まあでもウーロとかを墓地に置きながら墓地のPW回収とかは結構強そうなんでスゥルタイランプで息切れ防止にピン刺しとかそういうことはできるんじゃないですか。そんな感じ。ハイ次。
・《怪物の代言者、ビビアン》
登場したのは昨年の基本セットながら、既に6枚目になる地味な優遇枠ビビアンさん。
今回は5マナで登場、初期忠誠度は3と控えめ。
WAR以来続く悪しき慣習、常在型能力持ちのPW。内容は《ガラクの大群》と同じくライブラリートップのクリーチャーカードをプレイできるというもの。生物限定の《未来予知》だが、そこは現代のPWということでトップを公開する必要はなくコントローラーがいつでも見れる方式。
単体でアドバンテージ源になれる以上、強力な能力ではあるだろう。
+1能力は3/3のトークン生成。緑らしくサイズに優れるうえ、トランプル・警戒・到達の中から一つを選べる嬉しいおまけつき。基本的に警戒を選ぶことになるだろうが、緑のミッドレンジは大抵の場合対空性能が低いので到達が選択肢にあるのはありがたいところ。
-2は次にキャストする生物と同コスト以下の生物をライブラリーからリクルートする遅延誘発付与。コスト参照で一回ポッキリの《野生のつがい》のようなもの。単純に生物が倍加するに等しいわけで強い能力ではあるが、いかんせんこれをキャストしたターンに起動できることはほぼないだろうから返しのターンを生き残ってナンボ、という話になる。
常在型能力の性質と合わせ「決まれば爆アド!」なタイプのPWであり、生き残りやすさがバリューに直結することになるだろう。
・《古き道のナーセット》
ドヤ顔カンフーハイキック姉貴オッスオッス!
PWとしては3枚目となるナーセットはついにジェスカイカラーを冠することに。
今回は4マナで初期忠誠度4。
+能力はジェスカイカラーいずれか一色のマナ生成、用途は非生物スペル限定。2点ゲインのおまけつき。この色でのマナ加速はスタンでは珍しい、出たターンに有効活用するには1マナのスペルが必須なのはやや気になるもののゲインつきなので完全に無駄にはなりにくい。マナ域的に見ると4-6ジャンプになるので強そうに見えるが、非生物で考えるといまのとこ《目覚めた猛火、チャンドラ》くらいしか思いつかないのはやや気がかりか。
継続的なゲイン装置としてみることもできるので、対アグロでの硬さも評価したいところ。
-2はルーター+αの変則除去。ワンドローから任意でディスカードし、捨てたカードのCMCに等しいダメージを対象の生物orPWへ与える。ディスカードが任意なのが中々素晴らしく、単純にドローとしても使える上に自身の重ね引きをおのずからケアしてくれるのは融通がきいている。
その代わり除去としての癖が強いのは否めないが、高CMCのカードを弾にすること自体は次のマナ域である《エルズペス、死に打ち勝つ》と相性がいいといえる。
-6は「非生物スペルを唱える度に《ショック》が誘発」する紋章付与。《反逆の先導者、チャンドラ》の奥義を考えると些か地味だがあちらが強すぎるだけであり、こちらも十分強力である。登場ターンには忠誠度が5であると考えれば奥義が非常に早い部類。
ナーセットから決めろ!根本原理!
みたいなくっそ渋いコントロール組みてえなあおい。
・《永遠の頂点、ブロコス》/《結晶怪獣、スペースゴジラ》
今回の目玉キーワード、「変容」を持つ
すべてゴジラシリーズのコラボイラストを所持しています。
変容は色々ルーリング的にややこい部分があるのですが、以下ざっくり特徴を述べておきます。わからん人はググれ。
・自分がオーナーである「人間ではないクリーチャー」を対象に変容コストで唱えることができる。
・変容したクリーチャーは「合同パーマネント」になり、対象に取るときも戦場を離れるときも一緒になる。
・「合同パーマネント」の「カード名」と「P/T」は一番上のカードに依存する。一番上のカードをどれにするかは、変容する時に決めることができる。
・「合同パーマネント」は変容しているすべてのカードの能力のみを併せ持つ。下のクリーチャーのクリーチャータイプやP/Tは併せ持たない。
あーめんどくせこのメカニズム。
んで、肝心のスペースゴジラ・・・もといブロコスはスゥルタイカラーの5/6/6トランプル。これだけだとただマナレシオがちょいといいだけのフレンチバニラですが、墓地から変容することができる能力を持っているのが最大のウリ。
変容には6マナ必要ですが、種さえ用意してやれば何度でも墓地からでてくる6/6トランプル+αは中々の脅威になりうるか。テフェリーとかペス勝つはやめろ。
・《願いの頂点、イルーナ》/《宇宙の帝王、キングギドラ》
キングギドラだー!!
ティムールカラーの頂点は5/6/6飛行トランプル、この《茨の騎兵》でも止まらないサイズは驚異的、素のボディはこいつが一番強いかも。
変容するたびに、ライブラリートップから土地以外のパーマネントが出るまでめくり続け最初に出たものを出すというアドバンテージ能力持ちで、5マナにして既にサイズ能力両面でマスト除去を要する生物。マナ加速から4T目とかに出てくるとあわあわしそう。テフェリーはマジでやめろ。
・《雷の頂点、ヴァドロック》/《翼竜怪獣、ラドン》
ジェスカイカラーの頂点は3/3/3飛行先制攻撃・・・あれなんかサイクルの中じゃ随分ちっちゃくね?
まあこのマナ域のフライヤーだと《厚かましい借り手》に相打ちをとられないというのは重要なのでそこは合格か。
変容するたびの能力は墓地のCMC3以下の非生物スペルをマナ・コストを支払うことなく唱えるというもの。本人の軽さのせいで墓地利用とは若干噛み合っていない印象を受けるが、WARが誇る強力な3マナPW群も対象にできるというのは中々のやり手感。例によってテフェリーがいると変容能力が無力化される・・・おいマジでこのハゲなんとかならんか、新しいメカニズム全部殺されてない?
幸いこいつの場合軽さと飛行も相まって忠誠度の減ったテフェリーを殴りやすいのでマシな部類だが・・・。
・《死の頂点、ネスロイ》/《植獣形態、ビオランテ》
アブザンの頂点は5/6/6接死絆魂。
ライフリンクはまあ申し分ないが、デスタッチは例によって黒タイタン感覚か。
トランプルほしかったな。
変容能力は変容するたびに墓地のクリーチャーのマナ・コストが合計10以下になるようにリアニメイト・・・って派手だなおい。
流石にその派手さがあるもんで、変容コストは7マナと重め。
釣れる幅がでかすぎて、何らかの墓地肥やしでも併用しないとコストが余るレベルになってしまう可能性すらある派手さ。こんだけ派手ならちょっと使ってみたくなるよね。
・《猟の頂点、スナップダックス》/《伝説怪獣、キングシーサー》
「伝説って?」「ああ!それって、キングシーサー?」
マルドゥの頂点は4/3/5二段攻撃、変容するたびにPWか生物への4点ドレイン火力を放つ。
・・・すいませんマルドゥカラーはデッキを想像できなさすぎてコメントできない。単純に前のめり気味に組んだデッキで採用されるんだろうけどこの色だと4マナ域はライバルが多すぎる上にその上で活躍具合がイマイチなイメージしかなくてなんとも。
今回はとりあえずこんなとこで。
いろいろ細かいとこ気になってるカードも多いんですけど、とりあえずアリーナで試してきながら考えていきたいと思うます。
ではまた次回・・・次はどこでお会いできるでしょうねえ。
はやいとこお店で紙をしばきたいぜ。
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