デッキガイド:『青白サイクリング』
2018年2月14日 デッキ考察(スタンダード)『25周年ツアー』シーズンのPPTQ(スタンダード)は、先日無事チームメイトの突破により終了。
しばらくはスタンお休み、ドミナリアとRPTQに向けて英気を養いたいと思います。
さて、今回は何故か使用者の増えている『青白サイクリング』についての解説記事です。
レシピや運用についてちょこちょこ質問ももらってますので、そこらへん含めて説明できればと思っています。
自分で回してるときは全く気にならなかったけど、人が回してるの見ると確かにこのデッキ結構運用が難しいようで。(まさかWMCで活躍する前に回してた経験が活きるとか思ってなかったし・・・)
今のスタンはエンチャントへの対策が非常に薄く、またコントロールデッキが多いことから非常にいい立ち位置にいるデッキだと思います。多少慣れが必要ですが、デッキ選択に困っている人は一度試してみてはいかがでしょうか?(値段も意外とお手軽です)
まずは現行のレシピの紹介から。
●デッキコンセプト
≪ドレイクの安息地≫と≪見捨てられた石棺≫によるサイクリングシナジーを軸にしたコントロールデッキです。
複数の全体除去による高いボードコントロール能力と≪アズカンタの探索≫によりアドバンテージを獲得する点では既存の『青白副陽』やそのバリエーションデッキと同様ですが、大量のサイクリングスペルを有しかつその分だけ土地を切り詰めることに成功しているのが特徴です。
通常の青白コントロールデッキと比べての最大の強みは≪ドレイクの安息地≫を設置している状態で≪残骸の漂着≫とサイクリングを構えることで、≪残骸の漂着≫の欠点である「アタッククリーチャーの数を調節してディスアドバンテージを抑える」というケアを難しくさせることができる点です。
単騎アタックならドレイクトークンの生産によるチャンプないし相打ち、それを乗り越えるために複数でアタックすればまとめて流されてしまうため対戦相手の視点から見ると適切なアタッククリーチャーの指定が困難です。
ドレイクトークンによるチャンプを繰り返すのは一見ただのジリ貧ですが、アドバンテージ上の損はないうえターンを重ねるごとに土地が伸び、サイクリングの回数や≪残骸の漂着≫を構えながらの追加アクションの回数が増えるため相手のコンバットをどんどん難しくしていきます。
盤面を掌握した後は、ブロックに回していたトークンがそのまま攻撃に回りフィニッシャーとなるためどれだけ並べても基本的に無駄にはなりません。飛行をもっているうえに2/2なので≪つむじ風の巨匠≫のトークン等によっても止められにくく、除去をもらおうとも基本的には相手のディスアドバンテージでしかないので時間がたてばたつほど有利だといえます。
相手のライフを削りきるよりも早く≪副陽の接近≫で勝負を決めにいくことも可能で、ここでもサイクリングによってデッキを掘り進めトークンで延命をかける動きがかみ合っています。
高いボードコントロール力およびエンチャントからの飛行トークン量産という対処の難しいシステムを併せ持ち、かつ≪副陽の接近≫という長期戦にもってこいの勝ち筋まで備えているため特にメインボードにおける対ミッドレンジ、対コントロールへの勝率が高いデッキだと思います。
●基本的なゲームプラン
コントロールデッキの共通項ではありますが、特にこのデッキはプレイファストを心がけてください。フィニッシュまでに時間がかかる都合上制限時間との戦いをしなければならないこともままあります。
〔ゲーム序盤〕
土地を伸ばすことを最優先にしつつ、可能なら早期に≪ドレイクの安息地≫を設置してしまいましょう。相手クリーチャーへの対処を優先したくなる盤面もありますが、基本的に序盤のクリーチャーは全体除去でまとめて対処することがほとんどだということを覚えておくといいと思います。(後述のように一部例外はあります)
土地の絶対数が少ないので、マナスクリュー寄りのキープをすることも多いでしょう。その際は土地を探してサイクリングすることになるわけですが、その際の選択肢として以下の「優先度」があります。(あくまで指標にすぎませんが)
≪新たな信仰≫はサイクリングするだけでも延命となるため、積極的にサイクリングします。キープ基準となることも多々あります。
≪ヒエログリフの輝き≫はもちろん素で撃てるに越したことはありませんが、土地がない場合はアドバンテージを稼いでいる場合ではありませんのでさっさとサイクリングします。
≪検閲≫はこのデッキにおける貴重なカウンターカードです。中盤以降は信頼度が下がりますが、「サイクリングして土地を引くと≪検閲≫を構えられる」というケースは多々あるのでその際は≪検閲≫以外のカードをサイクリングできるならそちらを優先しましょう。
≪排斥≫は現環境のあらゆるデッキに対して非常に有効なインスタントメントです。
正直1マナでサイクリングできるのが頭おかしいんじゃないかと思えるほどの超強力カードなので、めったにサイクリングすることはないでしょう。もちろん、土地が詰まっているならあきらめてサイクリングするべきですが。
なお、≪相殺の風≫は私のレシピでの採用枚数が少ないので記載しませんでしたが早期に引いてしまった場合はサイクリングしましょう。序盤は基本的に役に立ちません。
〔ゲーム中盤~終盤〕
≪残骸の漂着≫を構えてプレッシャーをかけつつさらに土地を伸ばします。
ゲームに勝利するには10枚程度は土地を並べる必要があるでしょう。≪ドレイクの安息地≫≪副陽の接近≫のどちらも引けていない場合は、それらを探す必要がでてきます。
≪アズカンタの探索≫が反転しているのが理想ですが、そうでない場合はドロースペルやサイクリングに頼ることになります。土地が十分に伸びる見込みがあるなら、≪ヒエログリフの輝き≫はサイクリングせずに極力素撃ちしましょう。逆に≪検閲≫は積極的にサイクリングすることになるので、先ほどの優先度表の順番を入れ替える形です。
フィニッシュ手段を引いたら、後はそれに向かって舵取りを変えていきましょう。相手にもよりますが、≪ドレイクの安息地≫を置いている状態で≪副陽の接近≫を引いた場合は≪副陽の接近≫による勝利を優先した方が確実なことが多いです。制限時間の節約にもなります。
盤面・ライフがよほど追いつめられているのでなければ≪農場+市場≫の余波は積極的に活用します。特に、≪ドレイクの安息地≫を置けている状態で5マナが揃っているならソーサリータイミングで隙を晒すといえどもドレイクを2体出すことができるので非常にお得。もちろん積み込んだ≪副陽の接近≫を掘り進めるのにも有用です。
≪市場≫を使ったとき、手札にもう一枚≪農場+市場≫があるのならこれも積極的に墓地に落としておきましょう。中盤以降はピン除去としてよりもルーティングとしての方が有効です。
また、≪見捨てられた石棺≫を引き当てた場合はどんどんサイクリングして土地を伸ばしていきましょう。十分に土地が並んだ後に出すことでとんでもないアドバンテージを稼ぐことができます。またこれを置いている状態では相手の土地が起きていても、墓地から≪検閲≫を複数回重ねて撃って打消しとして機能させることが可能なことを忘れないように。
●サイドボーディングでの注意点
大前提として、メインボードのカード1枚1枚のカードパワーは非常に低いことを意識しましょう。
・サイクリングカードのIN/OUT
さまざまなマッチアップで真っ先にサイドアウト候補となりがちなのは≪新たな信仰≫・≪検閲≫の2種類。
・・・ではありますがこの2種8枚をすべてサイドアウトするのは基本的にNGです。
これらのサイクリングカードは軽量ドロー、即ち「土地換算」している部分もあるため過剰なサイドアウトはマナスクリューを起こしかねません。デッキの安定性の根幹に関わるので可能な限り片方は残しましよう。
また、デッキのサイクリング回数の上限が減ることで≪ドレイクの安息地≫のバリューが下がる可能性も考慮しなければなりません。
・≪農場+市場≫はサイドアウトしない
どのマッチアップでも基本的にサイドアウトされることはありません。
相手がほぼノンクリーチャーに近いコントロールに見えても、とかくルーティングが便利かつドレイクとのかみ合わせもあるためです。コントロールミラーではナチュラルディスカードや≪アズカンタの探索≫のトップ確認から墓地へ落とすことができるのも覚えておくと便利。
相手サイドからの生物の奇襲への対応という名目も一応ありますが、いずれにせよサイドアウトするのは稀でしょう。
●環境のデッキとの相性とサイドプラン
・対『グリクシスエネルギー』 微有利
大量のピン除去という無駄牌を抱えているうえエンチャントに触ることができない色なので、特にメインではそれなりに有利なマッチアップです。カウンターが濃い構築でなければ、適当に引き延ばして≪副陽の接近≫で勝利することも容易でしょう。
一方で≪光袖会の収集者≫はドレイクトークンでの対処が難しく、序盤からアドバンテージを稼いでくるため非常に危険です。≪不可解な終焉≫などで可能な限り早めに対処してロングゲームに持ち込みましょう。
また、≪反逆の先導者、チャンドラ≫や≪スカラベの神≫等追放したいパーマネントには枚挙に暇がないほどなので、≪排斥≫は極力大事にしたいところです。
サイドボード後はカウンターやハンデス、PWの増量でロングゲームへの耐性をつけてくるのでこちらもリングとカウンターを増量して対抗しましょう。
≪スカラベの神≫の脅威値を減らすことができるので、追放除去を優先的に残しタップアウトのリスクが高い≪燻蒸≫は抜きます。全体除去自体はそこまで有効なマッチアップではないのですが、個々の生物のカードパワーが高いうえ、≪スカラベの神≫を除けばそこまでマナフラッドへの耐性があるデッキでもないので≪残骸の漂着≫は残しておいて問題ないでしょう。
・対『青黒/グリクシスコントロール』 有利
『グリクシスエネルギー』と同じく相手の無駄牌が多いうえ、さらによりロングゲーム志向のデッキなのでかなり有利なマッチアップです。
ぶっちゃけ≪ドレイクの安息地≫さえ通ってしまえば半自動的に勝利なので、とにかく早期の着地を目指しましょう。
≪ドレイクの安息地≫を引き込めなくても、お互いにほとんど生物を採用していない関係上≪スカラベの神≫が脅威になりにくく、≪奔流の機械巨人≫の連打でもされない限り十分にマナが伸びきった後でも勝負できますので慌てずに。
抜きたいカードが多すぎるマッチアップですが、優先して抜きたいのは≪燻蒸≫と≪不可解な終焉≫です。相手サイドから軽量生物が出てくる可能性はありますが、メインに残った除去で十分対応できるでしょう。
≪失われた遺産≫をサイドインされる可能性が大なので、追加の勝ち筋を用意しておく必要があります。≪原初の潮流、ネザール≫はこれ1枚だけで勝てるカードで、かつ≪強迫≫で落とされることがないのでお勧めです。
・対『赤単』 不利
明確な不利マッチです。とにかく≪残骸の漂着≫を構えてクロックを落としにかかりましょう。≪ヒエログリフの輝き≫は盤面構築できるまで撃つ暇がまるでないので早々にサイクリングして構いません。とにかくありったけの防御牌、≪残骸の漂着≫・≪新たな信仰≫・≪不可解な終焉≫・≪農場+市場≫あたりをガンガン引きにいきましょう。また一見悠長ですが、≪ドレイクの安息地≫を早期におけるのであればおいてしまいましょう。先に述べたとおり相手の4ターン目以降のアタックを極力躊躇わせることが重要です。
ほぼ100%≪副陽の接近≫で勝利することを目指すことになります。サイド後は赤単側も重めのプランをとってきますが打消しは全てoutし、≪ドレイクの安息地≫は重ね引きしたくないので枚数を減らします。
あとはありったけのライフゲインでひたすら遅延をかけてしのぎましょう。
≪陽光鞭の勇者≫の永遠能力コスト支払の際、ドレイクトークンを出せることを忘れないように。
・対『青白王神』 有利
有利不利には諸説あるようですが、私は基本有利だと考えています。
墓地利用コンボデッキではあるものの、≪王神の贈り物≫のための準備に時間を要するうえ≪排斥≫・≪残骸の漂着≫の存在から後出しじゃんけん的に有利に立ち回ることができます。(最速で≪復元≫から≪発明の天使≫釣り上げみたいなパターンは無理ですが、まあそれはどのデッキでも無理なので)
≪不可解な終焉≫で≪機知の勇者≫を優先的に追放しておくと後が楽です。
最近ではあまり採用されていませんが、≪激変の機械巨人≫は出されると大変なことになりがちなので墓地に落ちるのが見えたら全力で対処しましょう。
王神側はライフゲイン手段がそこそこにあるので、ドレイクで殴りきるのはそれなりに時間がかかります。
極力≪副陽の接近≫での勝利を目指す方がよいでしょう。
≪スカラベの神≫と同じ理屈から、≪燻蒸≫は優先してアウトして構いません。相手もリング系とカウンターを増やしてくるので、同じように増量して対応します。
サイドインされがちな≪賞罰の天使≫がこちらの妨害手段・勝ち筋共に追放してくるうえドレイクトークンのサイズを上回るためやっかいです。カウンターしても不朽してくるため意味がありません、こちらもリング系で対処しましょう。
対『マルドゥ機体』 不利
機体+≪屑鉄場のたかり屋≫の組み合わせは≪燻蒸≫で流れにくく、各種PWを搭載しているうえに序盤からクロックが高いため赤単と並んで苦手とするデッキです。
基本方針は赤単と変わりませんが、ドレイクトークンが≪無許可の分解≫の的になるリスクがあるためサイクリングの際は気をつけましょう。
マルドゥ機体は個々人でのレシピの差異が激しいので、メインで見えたカードに合わせて多少調整していきましょう。
前述通り個々のクロックが非常に高いので≪領事の権限≫は赤単ほど効果がみこめません。除去や置物破壊で根本的に対処する必要があります。
以上、ひとまずかけるところまで。
環境が固まっていないので、サイドプランは結構コロコロかえてます。
上に列挙したのも一例にすぎません、相手に合わせて柔軟に変えていきましょう。
ご質問等ありましたらお気軽にコメントでも。
しばらくはスタンお休み、ドミナリアとRPTQに向けて英気を養いたいと思います。
さて、今回は何故か使用者の増えている『青白サイクリング』についての解説記事です。
レシピや運用についてちょこちょこ質問ももらってますので、そこらへん含めて説明できればと思っています。
自分で回してるときは全く気にならなかったけど、人が回してるの見ると確かにこのデッキ結構運用が難しいようで。(まさかWMCで活躍する前に回してた経験が活きるとか思ってなかったし・・・)
今のスタンはエンチャントへの対策が非常に薄く、またコントロールデッキが多いことから非常にいい立ち位置にいるデッキだと思います。多少慣れが必要ですが、デッキ選択に困っている人は一度試してみてはいかがでしょうか?(値段も意外とお手軽です)
まずは現行のレシピの紹介から。
青白サイクリング
土地 24
灌漑農地4
氷河の城塞4
廃墟の地2
島5
平地8
イプヌの細流1
スペル36
検閲4
ヒエログリフの輝き4
排斥4
ドレイクの安息地3
新たな信仰4
アズカンタの探索2
燻蒸2
残骸の漂着4
相殺の風1
農場+市場2
不可解な終焉3
副陽の接近2
見捨てられた石棺1
サイドボード15
相殺の風1
原初の潮流、ネザール1
俗物の放棄1
イクサランの束縛2
領事の権限3
陽光鞭の勇者2
威厳あるカラカル2
否認3
●デッキコンセプト
≪ドレイクの安息地≫と≪見捨てられた石棺≫によるサイクリングシナジーを軸にしたコントロールデッキです。
複数の全体除去による高いボードコントロール能力と≪アズカンタの探索≫によりアドバンテージを獲得する点では既存の『青白副陽』やそのバリエーションデッキと同様ですが、大量のサイクリングスペルを有しかつその分だけ土地を切り詰めることに成功しているのが特徴です。
通常の青白コントロールデッキと比べての最大の強みは≪ドレイクの安息地≫を設置している状態で≪残骸の漂着≫とサイクリングを構えることで、≪残骸の漂着≫の欠点である「アタッククリーチャーの数を調節してディスアドバンテージを抑える」というケアを難しくさせることができる点です。
単騎アタックならドレイクトークンの生産によるチャンプないし相打ち、それを乗り越えるために複数でアタックすればまとめて流されてしまうため対戦相手の視点から見ると適切なアタッククリーチャーの指定が困難です。
ドレイクトークンによるチャンプを繰り返すのは一見ただのジリ貧ですが、アドバンテージ上の損はないうえターンを重ねるごとに土地が伸び、サイクリングの回数や≪残骸の漂着≫を構えながらの追加アクションの回数が増えるため相手のコンバットをどんどん難しくしていきます。
盤面を掌握した後は、ブロックに回していたトークンがそのまま攻撃に回りフィニッシャーとなるためどれだけ並べても基本的に無駄にはなりません。飛行をもっているうえに2/2なので≪つむじ風の巨匠≫のトークン等によっても止められにくく、除去をもらおうとも基本的には相手のディスアドバンテージでしかないので時間がたてばたつほど有利だといえます。
相手のライフを削りきるよりも早く≪副陽の接近≫で勝負を決めにいくことも可能で、ここでもサイクリングによってデッキを掘り進めトークンで延命をかける動きがかみ合っています。
高いボードコントロール力およびエンチャントからの飛行トークン量産という対処の難しいシステムを併せ持ち、かつ≪副陽の接近≫という長期戦にもってこいの勝ち筋まで備えているため特にメインボードにおける対ミッドレンジ、対コントロールへの勝率が高いデッキだと思います。
●基本的なゲームプラン
コントロールデッキの共通項ではありますが、特にこのデッキはプレイファストを心がけてください。フィニッシュまでに時間がかかる都合上制限時間との戦いをしなければならないこともままあります。
〔ゲーム序盤〕
土地を伸ばすことを最優先にしつつ、可能なら早期に≪ドレイクの安息地≫を設置してしまいましょう。相手クリーチャーへの対処を優先したくなる盤面もありますが、基本的に序盤のクリーチャーは全体除去でまとめて対処することがほとんどだということを覚えておくといいと思います。(後述のように一部例外はあります)
土地の絶対数が少ないので、マナスクリュー寄りのキープをすることも多いでしょう。その際は土地を探してサイクリングすることになるわけですが、その際の選択肢として以下の「優先度」があります。(あくまで指標にすぎませんが)
・(序盤に)積極的にサイクリングする優先度
≪新たな信仰≫ > ≪ヒエログリフの輝き≫ > ≪検閲≫ > ≪排斥≫
≪新たな信仰≫はサイクリングするだけでも延命となるため、積極的にサイクリングします。キープ基準となることも多々あります。
≪ヒエログリフの輝き≫はもちろん素で撃てるに越したことはありませんが、土地がない場合はアドバンテージを稼いでいる場合ではありませんのでさっさとサイクリングします。
≪検閲≫はこのデッキにおける貴重なカウンターカードです。中盤以降は信頼度が下がりますが、「サイクリングして土地を引くと≪検閲≫を構えられる」というケースは多々あるのでその際は≪検閲≫以外のカードをサイクリングできるならそちらを優先しましょう。
≪排斥≫は現環境のあらゆるデッキに対して非常に有効なインスタントメントです。
正直1マナでサイクリングできるのが頭おかしいんじゃないかと思えるほどの超強力カードなので、めったにサイクリングすることはないでしょう。もちろん、土地が詰まっているならあきらめてサイクリングするべきですが。
なお、≪相殺の風≫は私のレシピでの採用枚数が少ないので記載しませんでしたが早期に引いてしまった場合はサイクリングしましょう。序盤は基本的に役に立ちません。
〔ゲーム中盤~終盤〕
≪残骸の漂着≫を構えてプレッシャーをかけつつさらに土地を伸ばします。
ゲームに勝利するには10枚程度は土地を並べる必要があるでしょう。≪ドレイクの安息地≫≪副陽の接近≫のどちらも引けていない場合は、それらを探す必要がでてきます。
≪アズカンタの探索≫が反転しているのが理想ですが、そうでない場合はドロースペルやサイクリングに頼ることになります。土地が十分に伸びる見込みがあるなら、≪ヒエログリフの輝き≫はサイクリングせずに極力素撃ちしましょう。逆に≪検閲≫は積極的にサイクリングすることになるので、先ほどの優先度表の順番を入れ替える形です。
フィニッシュ手段を引いたら、後はそれに向かって舵取りを変えていきましょう。相手にもよりますが、≪ドレイクの安息地≫を置いている状態で≪副陽の接近≫を引いた場合は≪副陽の接近≫による勝利を優先した方が確実なことが多いです。制限時間の節約にもなります。
盤面・ライフがよほど追いつめられているのでなければ≪農場+市場≫の余波は積極的に活用します。特に、≪ドレイクの安息地≫を置けている状態で5マナが揃っているならソーサリータイミングで隙を晒すといえどもドレイクを2体出すことができるので非常にお得。もちろん積み込んだ≪副陽の接近≫を掘り進めるのにも有用です。
≪市場≫を使ったとき、手札にもう一枚≪農場+市場≫があるのならこれも積極的に墓地に落としておきましょう。中盤以降はピン除去としてよりもルーティングとしての方が有効です。
また、≪見捨てられた石棺≫を引き当てた場合はどんどんサイクリングして土地を伸ばしていきましょう。十分に土地が並んだ後に出すことでとんでもないアドバンテージを稼ぐことができます。またこれを置いている状態では相手の土地が起きていても、墓地から≪検閲≫を複数回重ねて撃って打消しとして機能させることが可能なことを忘れないように。
●サイドボーディングでの注意点
大前提として、メインボードのカード1枚1枚のカードパワーは非常に低いことを意識しましょう。
・サイクリングカードのIN/OUT
さまざまなマッチアップで真っ先にサイドアウト候補となりがちなのは≪新たな信仰≫・≪検閲≫の2種類。
・・・ではありますがこの2種8枚をすべてサイドアウトするのは基本的にNGです。
これらのサイクリングカードは軽量ドロー、即ち「土地換算」している部分もあるため過剰なサイドアウトはマナスクリューを起こしかねません。デッキの安定性の根幹に関わるので可能な限り片方は残しましよう。
また、デッキのサイクリング回数の上限が減ることで≪ドレイクの安息地≫のバリューが下がる可能性も考慮しなければなりません。
・≪農場+市場≫はサイドアウトしない
どのマッチアップでも基本的にサイドアウトされることはありません。
相手がほぼノンクリーチャーに近いコントロールに見えても、とかくルーティングが便利かつドレイクとのかみ合わせもあるためです。コントロールミラーではナチュラルディスカードや≪アズカンタの探索≫のトップ確認から墓地へ落とすことができるのも覚えておくと便利。
相手サイドからの生物の奇襲への対応という名目も一応ありますが、いずれにせよサイドアウトするのは稀でしょう。
●環境のデッキとの相性とサイドプラン
・対『グリクシスエネルギー』 微有利
大量のピン除去という無駄牌を抱えているうえエンチャントに触ることができない色なので、特にメインではそれなりに有利なマッチアップです。カウンターが濃い構築でなければ、適当に引き延ばして≪副陽の接近≫で勝利することも容易でしょう。
一方で≪光袖会の収集者≫はドレイクトークンでの対処が難しく、序盤からアドバンテージを稼いでくるため非常に危険です。≪不可解な終焉≫などで可能な限り早めに対処してロングゲームに持ち込みましょう。
また、≪反逆の先導者、チャンドラ≫や≪スカラベの神≫等追放したいパーマネントには枚挙に暇がないほどなので、≪排斥≫は極力大事にしたいところです。
▲サイドプラン(例)
out:≪新たな信仰≫4 ≪燻蒸≫2
in:≪否認≫3 ≪相殺の風≫1 ≪イクサランの束縛≫2
サイドボード後はカウンターやハンデス、PWの増量でロングゲームへの耐性をつけてくるのでこちらもリングとカウンターを増量して対抗しましょう。
≪スカラベの神≫の脅威値を減らすことができるので、追放除去を優先的に残しタップアウトのリスクが高い≪燻蒸≫は抜きます。全体除去自体はそこまで有効なマッチアップではないのですが、個々の生物のカードパワーが高いうえ、≪スカラベの神≫を除けばそこまでマナフラッドへの耐性があるデッキでもないので≪残骸の漂着≫は残しておいて問題ないでしょう。
・対『青黒/グリクシスコントロール』 有利
『グリクシスエネルギー』と同じく相手の無駄牌が多いうえ、さらによりロングゲーム志向のデッキなのでかなり有利なマッチアップです。
ぶっちゃけ≪ドレイクの安息地≫さえ通ってしまえば半自動的に勝利なので、とにかく早期の着地を目指しましょう。
≪ドレイクの安息地≫を引き込めなくても、お互いにほとんど生物を採用していない関係上≪スカラベの神≫が脅威になりにくく、≪奔流の機械巨人≫の連打でもされない限り十分にマナが伸びきった後でも勝負できますので慌てずに。
▲サイドプラン(例)
out:≪新たな信仰≫2 ≪燻蒸≫2 ≪不可解な終焉≫3 ≪残骸の漂着≫2
in:≪否認≫3 ≪相殺の風≫1 ≪原初の潮流、ネザール≫1 ≪イクサランの束縛≫2 ≪俗物の放棄≫1 ≪威厳あるカラカル≫1
抜きたいカードが多すぎるマッチアップですが、優先して抜きたいのは≪燻蒸≫と≪不可解な終焉≫です。相手サイドから軽量生物が出てくる可能性はありますが、メインに残った除去で十分対応できるでしょう。
≪失われた遺産≫をサイドインされる可能性が大なので、追加の勝ち筋を用意しておく必要があります。≪原初の潮流、ネザール≫はこれ1枚だけで勝てるカードで、かつ≪強迫≫で落とされることがないのでお勧めです。
・対『赤単』 不利
明確な不利マッチです。とにかく≪残骸の漂着≫を構えてクロックを落としにかかりましょう。≪ヒエログリフの輝き≫は盤面構築できるまで撃つ暇がまるでないので早々にサイクリングして構いません。とにかくありったけの防御牌、≪残骸の漂着≫・≪新たな信仰≫・≪不可解な終焉≫・≪農場+市場≫あたりをガンガン引きにいきましょう。また一見悠長ですが、≪ドレイクの安息地≫を早期におけるのであればおいてしまいましょう。先に述べたとおり相手の4ターン目以降のアタックを極力躊躇わせることが重要です。
▲サイドプラン(例)
out:≪検閲≫4 ≪相殺の風≫1 ≪アズカンタの探索≫2 ≪ドレイクの安息地≫1
in:≪領事の権限≫3 ≪陽光鞭の勇者≫2 ≪威厳あるカラカル≫2 ≪イクサランの束縛≫1
ほぼ100%≪副陽の接近≫で勝利することを目指すことになります。サイド後は赤単側も重めのプランをとってきますが打消しは全てoutし、≪ドレイクの安息地≫は重ね引きしたくないので枚数を減らします。
あとはありったけのライフゲインでひたすら遅延をかけてしのぎましょう。
≪陽光鞭の勇者≫の永遠能力コスト支払の際、ドレイクトークンを出せることを忘れないように。
・対『青白王神』 有利
有利不利には諸説あるようですが、私は基本有利だと考えています。
墓地利用コンボデッキではあるものの、≪王神の贈り物≫のための準備に時間を要するうえ≪排斥≫・≪残骸の漂着≫の存在から後出しじゃんけん的に有利に立ち回ることができます。(最速で≪復元≫から≪発明の天使≫釣り上げみたいなパターンは無理ですが、まあそれはどのデッキでも無理なので)
≪不可解な終焉≫で≪機知の勇者≫を優先的に追放しておくと後が楽です。
最近ではあまり採用されていませんが、≪激変の機械巨人≫は出されると大変なことになりがちなので墓地に落ちるのが見えたら全力で対処しましょう。
王神側はライフゲイン手段がそこそこにあるので、ドレイクで殴りきるのはそれなりに時間がかかります。
極力≪副陽の接近≫での勝利を目指す方がよいでしょう。
▲サイドプラン(例)
out: ≪新たな信仰≫4 ≪燻蒸≫2
in:≪イクサランの束縛≫2 ≪否認≫3 ≪俗物の放棄≫1
≪スカラベの神≫と同じ理屈から、≪燻蒸≫は優先してアウトして構いません。相手もリング系とカウンターを増やしてくるので、同じように増量して対応します。
サイドインされがちな≪賞罰の天使≫がこちらの妨害手段・勝ち筋共に追放してくるうえドレイクトークンのサイズを上回るためやっかいです。カウンターしても不朽してくるため意味がありません、こちらもリング系で対処しましょう。
対『マルドゥ機体』 不利
機体+≪屑鉄場のたかり屋≫の組み合わせは≪燻蒸≫で流れにくく、各種PWを搭載しているうえに序盤からクロックが高いため赤単と並んで苦手とするデッキです。
基本方針は赤単と変わりませんが、ドレイクトークンが≪無許可の分解≫の的になるリスクがあるためサイクリングの際は気をつけましょう。
▲サイドプラン(例)
out:≪検閲≫4 ≪相殺の風≫1 ≪アズカンタの探索≫2 ≪ドレイクの安息地≫1 ≪見捨てられた石棺≫ 1
in:≪領事の権限≫2 ≪俗物の放棄≫1 ≪陽光鞭の勇者≫2 ≪威厳あるカラカル≫2 ≪イクサランの束縛≫2
マルドゥ機体は個々人でのレシピの差異が激しいので、メインで見えたカードに合わせて多少調整していきましょう。
前述通り個々のクロックが非常に高いので≪領事の権限≫は赤単ほど効果がみこめません。除去や置物破壊で根本的に対処する必要があります。
以上、ひとまずかけるところまで。
環境が固まっていないので、サイドプランは結構コロコロかえてます。
上に列挙したのも一例にすぎません、相手に合わせて柔軟に変えていきましょう。
ご質問等ありましたらお気軽にコメントでも。
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