pauperはいいぞ。 


第7回コウノトリ杯にも多くのパウキチが参戦し、自分のデッキで参加していましたね。pauper熱の広がりは留まるところを知らないようです。
というわけで今回もやっていきます、デッキピックアップです。

今回のピックアップデッキは見事準優勝を果たされました、旧RPG杯主催コーノさんの操る「アブザン拷問生活」!
pauperの墓地利用デッキの代表格として名高いこのデッキ、早速コーノさんのリストを見ていきましょう。

【クリーチャー 21】
4:サテュロスの道探し
4:コーの空猟師
1:クァーサルの群れ魔道士
2:墓所のネズミ
2:ゴルガリの茶鱗
1:オーラ術師
1:臭い草のインプ
1:黒薔薇の棘
2:遺棄地の恐怖
1:カストーディの従者
2:グルマグのアンコウ

【呪文 17】
4:拷問生活
4:豊かな成長
4:神々との融和
3:未達への旅
2:活力のカルトーシュ

【土地 22】
4:進化する未開地
4:磨かれたやせ地
4:ジャングルのうろ穴
2:ゴルガリのギルド門
3:森
3:沼
2:平地

【サイドボード 15】
4:苛性イモムシ
3:フェアリーの忌み者
3:骨までの齧りつき
2:墓所のネズミ
2:胞子カエル
1:ファングレンの匪賊



●『アブザン拷問生活』はどんなデッキ?


名前に冠した通り、強力な墓地活用エンチャントである《拷問生活》を主軸にしたクリーチャーコントロールデッキです。
黒緑を主軸に様々なカラーバリエーションが存在しますが、今回のコーノさんのレシピでは白がタッチカラーとして採用されたアブザンカラーとなっています。


Tortured Existence / 拷問生活 (黒)
エンチャント
(黒),クリーチャー・カードを1枚捨てる:あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。



《拷問生活》は黒マナの続く限り墓地と手札のクリーチャーカードを交換し続けることのできるエンチャントです。
これと各種墓地肥やしカードを併用することで、墓地のクリーチャーを擬似的に手札にあるように活用することができるため、そのようなカードとの強い相互シナジーを主観に置き盤面をコントロールするデッキとなっています。

パッとレシピを眺めただけだとデッキの動きを想像するのが難しいかもしれませんが、《臭い草のインプ》などの発掘クリーチャーや《サテュロスの道探し》によって充分に墓地を肥やしてからのコントロール力は数ある墓地活用デッキの中でも指折りです。
各種クリーチャーの再利用による無限チャンプブロック、《胞子カエル》による無限フォグ、何度倒してもでもよみがえる《グルマグのアンコウ》などまさに拷問生活の名にふさわしいムーブが可能です。

その挙動の特性上、探査・発掘・マッドネスなど様々なギミックとのシナジーがあるため拷問生活デッキのレシピは非常に多岐に渡ります。
今回のコーノさんのレシピは白をタッチしたことによりボードコントロール色が強いデッキとなっているようですね。



●注目のカード

《拷問生活》ならではのカードとして真っ先にあげられるのは、やはり《ゴルガリの茶鱗》でしょう。

Golgari Brownscale / ゴルガリの茶鱗 (1)(緑)(緑)
クリーチャー — トカゲ(Lizard)
ゴルガリの茶鱗があなたの墓地からあなたの手札に加えられたとき、あなたは2点のライフを得る。
発掘2(あなたがカードを引く場合、代わりにあなたはあなたのライブラリーのカードを上からちょうど2枚、あなたの墓地に置いてもよい。そうした場合、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。そうしなかった場合、カードを1枚引く。)
2/3


発掘2と墓地を肥やす能力は他のクリーチャーに劣りますが、誘発型能力によるライフゲインが極めて強力です。
誘発条件が「墓地から手札に加えられたとき」なのがミソで、《拷問生活》で回収した際にも能力が誘発します。
そのため「手札のクリーチャーを墓地に置く」ついでに2点のゲインができたり、二枚このカードが揃うと黒マナの限り墓地と手札を行き来させることでライフゲインを繰り返すことができるためこのデッキの延命力に大きく貢献しているのです。



白をタッチした魅力の大きな点としては、やはりpauper界屈指のパワーカードの一枚《コーの空猟師》の占める部分が大きいのですが、アイコニックマスターズ発売と同時に解禁された《カストーディの従者》を使用できるのも魅力の一つでしょう。

Custodi Squire / カストーディの従者 (4)(白)
クリーチャー — スピリット(Spirit) クレリック(Cleric)
飛行
議決 ― カストーディの従者が戦場に出たとき、あなたから始めて各プレイヤーは、あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚か、クリーチャー・カード1枚か、エンチャント・カード1枚に投票する。最多あるいは最多と同数の票を獲得した各カードをあなたの手札に戻す。
3/3



3/3飛行というボディはpauperのメジャーな飛行クリーチャーである《コーの空猟師》・《熟考漂い》を上回るサイズで、かつCIP能力も議決カードの特性上二人対戦しか行われないpauperでは確実に狙ったカードを回収でき、対象となるカードタイプも強力であるため注目されているカードです。
このデッキにおいては墓地肥やしの過程でおちてしまったり、エンチャント破壊によって割られてしまった《拷問生活》・《未達への旅》を回収することが可能
なのが魅力であり、積極的に墓地リソースを活用するデッキの性質と強くシナジーします。また、マナコストこそ重たいですが単純に《拷問生活》で使いまわすクリーチャーとしても強力です。


筆者個人的な注目クリーチャーは、アモンヶットからの新戦力である《遺棄地の恐怖》でしょうか。

Horror of the Broken Lands / 遺棄地の恐怖 (4)(黒)
クリーチャー — ホラー(Horror)
あなたが他のカードを1枚サイクリングするか捨てるたび、ターン終了時まで遺棄地の恐怖は+2/+1の修整を受ける。
サイクリング(黒)((黒),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)
4/4



モダンでは『死せる生』デッキなどで使用される中堅クリーチャーですが、ディスカード誘発型能力が《拷問生活》の特性とかみ合っており、終盤の戦力としては申し分ありません。
自身もサイクリングを持つため腐りにくく、《拷問生活》と組み合わせてドローソースのように活用したり発掘に置換することで間接的に墓地肥やしに寄与することもできる万能選手といえるでしょう。


総じて所謂『ガチャガチャ』するデッキとしては非常に選択肢が多く使い込み甲斐のあるデッキではないしょうか?
かつてのRPG杯を主催し大分県にpauperの風を送り込み続けてきたコーノさんのデッキだけあり、最新のトレンドにも敏感でグッドなレシピでした。


●このデッキの強み/弱み

まとめると、この『アブザン拷問生活』というデッキは・・・

【長所】
・墓地リソースを基点に戦うデッキの常として、メインボードで対策されることが少ないのが最大の魅力です。
・特性上単純な除去呪文などが効きにくいので多くのビートダウンデッキに有利がつきます。
・ライフゲインやフォグ、無限チャンプなど多角的な防御手段を持つのでpauperでも特に『わからん殺し』率の高いデッキです。


【短所】
・デッキ全体としての構造が《拷問生活》に強く依存しているので、当然ながらこれを引けない時はリソース不足に陥りがちです。
・またこれも当然ながら、《大祖始の遺産》をはじめとする全追放系墓地対策カードは劇的に刺さります。
・速度のないデッキで、かつ相手リソースへの干渉手段に乏しいので『ウルザトロン』のような土地コンボ、《幽霊のゆらめき》をキーカードとする『フリッカーコンボ』のようなデッキを苦手としています。



デッキピックアップ、いかがでしたでしょうか。
皆さんからの意見・質問も募集しております。
次回のピックアップデッキとなれる新たなデッキを目指し、みんなもコウノトリ杯に参加しよう!!!

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