第4回 pauper デッキ・ピックアップ『黒単信心』
2017年10月22日 デッキ・ピックアップ
pauperはいいぞ。
第6回コウノトリ杯は台風の中に関わらず多くのクレイジーが自分のデッキで参加していましたね。どういう神経してるんでしょうか???
というわけで今回もやっていきます、デッキピックアップです。
今回の優勝デッキは期待の新人(?)、クスモトさんの操る「黒単信心」!
テーロスブロック参入以降、非常に安定感のあるデッキとしてメタに定着しているこのデッキ、早速今回のリストを見ていきましょう。
●『黒単信心』はどんなデッキ?
単色であることを活かし、色拘束の強い大量の除去スペルで相手を妨害、フィニッシャーとして《アスフォデルの灰色商人》によるライフドレインを構えた、低速気味のビート・コントロールデッキです。
単色構成故の色事故リスクの少なさ、フィニッシュの安定感含め総合的によく「丸い」と称されることの多いデッキであり、特にビートダウンデッキに対する強さがずば抜けています。
今回のコウノトリ杯でも、環境のビートダウン代表格である「緑単ストンピィ」やその他ビート色の強いアーキタイプが多かったため、それらに対して非常に有利に立ち回れるデッキだったといえるでしょう。
《アスフォデルの灰色商人》は、自軍の黒マナシンボルの数を参照したライフドレインを行います。後述する色拘束の強いクリーチャー達を並べての妨害やアドバンテージの獲得がそのままフィニッシュ力の増強につながっているためデッキの動きに一貫性を持たせやすく、これが安定感が高いといわれる所以でもあります。
●注目のカード
さて、ここまではフィニッシュについて散々取り上げましたので以下からはその脇を固めるカードについてご紹介しましょう。
射撃クリーチャー、いわゆる「ティム」の一種ですが黒らしく1点飛ばすと相手から1点跳ね返されるデメリットがついています。
タフネス1のクリーチャーに睨みを利かることのできる強力なシステムクリーチャーですが2マナと非常に軽量であり、更に色拘束が強いことがこのデッキではメリットとなりうることからpauperの黒単では非常にポピュラーなカードです。
特にタフネス1を多用するクロック・パーミッションやトークンデッキに対して効果的であり、まさにpauperならではの一枚といえるでしょう。
また、《騒がしいネズミ》はpauperのフォーマット成立当初から黒単の一翼を担ってきた古株にしていぶし銀筆頭です。
3~4T目の相手のドローを遅らせることによるテンポの獲得と、黒らしくないいやらしさを持つクリーチャーであり、まさに使われてわかる「ウザい」カード。
特に他の手札破壊と併用することで高い効果を発揮し、相手の選択肢を狭めつつ更にその色拘束でアスフォデルの信心カウントも稼ぐまさに理想的な中盤のつなぎ役です。
これを連打された日には台パンもの。
また「pauperならでは」、というところに関連するなら外せないのはやはり《Oubliette》ですね。
古くはアラビアン・ナイト初出のカードであり、MOでの「Masters Edition」にコモンとして収録されているため使用可能というすさまじいニッチカードですが、その効果は驚くべきことに黒い《忘却の輪》。
現在の一時的に追放する白のカードとは異なる点としては、オーラごと追放することができるところ。これにより《怨恨》のようなエターナルエンチャントをまとめて処理できることが可能であり、そのあたりのかみ合いも評価されるポイントの一つでしょう。もちろんエンチャントとして戦場に残り、信心カウントを稼ぐところも見逃せませんね。
なお、「現在まともに購入すると高いコモン」の筆頭としても有名なカードです。気になる人は値段を調べてみましょう。
サイドボードでの注目ポイントは《黒薔薇の棘》ですね。
コンスピ2で登場以来、《宮殿の歩哨》等一部の「統治者」能力もちクリーチャーが低速のデッキで結果を残していますが、この《黒薔薇の棘》も研究中の1枚。
統治者能力自体、低速の除去コントロールに強くかみ合っていることは周知の事実ですが、アドバンテージ源に乏しい黒単にとっては同型戦などにおいて頼もしいサイドボードとなりえそうです。
●このデッキの強み/弱み
まとめると、この『黒単信心』というデッキは・・・
【長所】
・除去が多い上に強力なライフドレインカードをメインから有するため、多くのビートダウンデッキに対して有利です。ライフレースをひっくり返し易く、限られたクロックを捌くことも難しくないためクロックパーミッションなどに対しても有利に立ち回れることが多いです。
・単色構成故に色事故とは無縁であり、パーマネントを並べることがそのまま勝利への近道であるため安定感が高く扱い易さも魅力です。
【短所】
・アドバンテージの獲得方法に乏しく、また基本的に1対多数交換をすることができないためフィニッシュに至るまでにやや息切れしがちです。
・黒単色ゆえ、アーティファクト・エンチャント双方に対処手段が存在しません。それらを軸にしたデッキを苦手とします。
・クリーチャー除去でのマウントを前提とした部分が大きく、また生物の展開速度に難があるため青系の重コントロールデッキやウルザトロンなど生物の採用枚数が少なくかつカードアドバンテージの獲得に長けたデッキも苦手とします。
デッキピックアップ、いかがでしたでしょうか。
皆さんからの意見・質問も募集しております。
次回のピックアップデッキとなれる新たなデッキを目指し、みんなもコウノトリ杯に参加しよう!!!
pauperはいいぞ(定期)
第6回コウノトリ杯は台風の中に関わらず多くのクレイジーが自分のデッキで参加していましたね。
今回の優勝デッキは期待の新人(?)、クスモトさんの操る「黒単信心」!
テーロスブロック参入以降、非常に安定感のあるデッキとしてメタに定着しているこのデッキ、早速今回のリストを見ていきましょう。
【クリーチャー 18】
4:クォムバッジの魔女
4:騒がしいネズミ
4:ファイレクシアの憤怒鬼
1:墓所のネズミ
4:アスフォデルの灰色商人
1:グルマグのアンコウ
【呪文 20】
2:発掘
2:強迫
2:見栄え損ない
1:死の重み
4:血の署名
2:ゲスの評決
2:チェイナーの布告
1:Oubliette
4:堕落の触手
【土地 22】
3:やせた原野
19:沼
【サイドボード 15】
1:Order of the Ebon Hand
3:黒薔薇の棘
3:大牙の衆の忍び
2:フェアリーの忌み者
1:強迫
1:残響する衰微
2:押し寄せる砂
2:エヴィンカーの正義
●『黒単信心』はどんなデッキ?
単色であることを活かし、色拘束の強い大量の除去スペルで相手を妨害、フィニッシャーとして《アスフォデルの灰色商人》によるライフドレインを構えた、低速気味のビート・コントロールデッキです。
単色構成故の色事故リスクの少なさ、フィニッシュの安定感含め総合的によく「丸い」と称されることの多いデッキであり、特にビートダウンデッキに対する強さがずば抜けています。
今回のコウノトリ杯でも、環境のビートダウン代表格である「緑単ストンピィ」やその他ビート色の強いアーキタイプが多かったため、それらに対して非常に有利に立ち回れるデッキだったといえるでしょう。
Gray Merchant of Asphodel / アスフォデルの灰色商人 (3)(黒)(黒)
クリーチャー — ゾンビ(Zombie)
アスフォデルの灰色商人が戦場に出たとき、各対戦相手はそれぞれX点のライフを失う。Xは、あなたの黒への信心に等しい。あなたはこれにより失われたライフに等しい点数のライフを得る。(あなたの黒への信心は、あなたがコントロールするパーマネントのマナ・コストに含まれる(黒)の数に等しい。)
2/4
《アスフォデルの灰色商人》は、自軍の黒マナシンボルの数を参照したライフドレインを行います。後述する色拘束の強いクリーチャー達を並べての妨害やアドバンテージの獲得がそのままフィニッシュ力の増強につながっているためデッキの動きに一貫性を持たせやすく、これが安定感が高いといわれる所以でもあります。
●注目のカード
さて、ここまではフィニッシュについて散々取り上げましたので以下からはその脇を固めるカードについてご紹介しましょう。
Cuombajj Witches / クォムバッジの魔女 (黒)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。クォムバッジの魔女はそれに1点のダメージを与える。対戦相手1人が選んだクリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。クォムバッジの魔女はそれに1点のダメージを与える。
1/3
射撃クリーチャー、いわゆる「ティム」の一種ですが黒らしく1点飛ばすと相手から1点跳ね返されるデメリットがついています。
タフネス1のクリーチャーに睨みを利かることのできる強力なシステムクリーチャーですが2マナと非常に軽量であり、更に色拘束が強いことがこのデッキではメリットとなりうることからpauperの黒単では非常にポピュラーなカードです。
特にタフネス1を多用するクロック・パーミッションやトークンデッキに対して効果的であり、まさにpauperならではの一枚といえるでしょう。
また、《騒がしいネズミ》はpauperのフォーマット成立当初から黒単の一翼を担ってきた古株にしていぶし銀筆頭です。
Chittering Rats / 騒がしいネズミ (1)(黒)(黒)
クリーチャー — ネズミ(Rat)
騒がしいネズミが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札のカードを1枚、自分のライブラリーの一番上に置く。
2/2
3~4T目の相手のドローを遅らせることによるテンポの獲得と、黒らしくないいやらしさを持つクリーチャーであり、まさに使われてわかる「ウザい」カード。
特に他の手札破壊と併用することで高い効果を発揮し、相手の選択肢を狭めつつ更にその色拘束でアスフォデルの信心カウントも稼ぐまさに理想的な中盤のつなぎ役です。
これを連打された日には台パンもの。
また「pauperならでは」、というところに関連するなら外せないのはやはり《Oubliette》ですね。
Oubliette (1)(黒)(黒)
エンチャント
Oublietteが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とし、それとそれにつけられているすべてのオーラ(Aura)を追放する。そのクリーチャーの上に置かれているカウンターの種類と数を記録する。
Oublietteが戦場を離れたとき、その前者の追放されたカードをオーナーのコントロール下で、タップ状態かつ記録された種類と数のカウンターが置かれた状態で戦場に戻す。そうした場合、その他の追放されたカードをオーナーのコントロール下でそのパーマネントにつけられた状態で戦場に戻す。
古くはアラビアン・ナイト初出のカードであり、MOでの「Masters Edition」にコモンとして収録されているため使用可能というすさまじいニッチカードですが、その効果は驚くべきことに黒い《忘却の輪》。
現在の一時的に追放する白のカードとは異なる点としては、オーラごと追放することができるところ。これにより《怨恨》のようなエターナルエンチャントをまとめて処理できることが可能であり、そのあたりのかみ合いも評価されるポイントの一つでしょう。もちろんエンチャントとして戦場に残り、信心カウントを稼ぐところも見逃せませんね。
なお、「現在まともに購入すると高いコモン」の筆頭としても有名なカードです。気になる人は値段を調べてみましょう。
サイドボードでの注目ポイントは《黒薔薇の棘》ですね。
Thorn of the Black Rose / 黒薔薇の棘 (3)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) 暗殺者(Assassin)
接死(これが何らかのダメージをクリーチャーに与えたら、それだけで破壊する。)
黒薔薇の棘が戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
1/3
コンスピ2で登場以来、《宮殿の歩哨》等一部の「統治者」能力もちクリーチャーが低速のデッキで結果を残していますが、この《黒薔薇の棘》も研究中の1枚。
統治者能力自体、低速の除去コントロールに強くかみ合っていることは周知の事実ですが、アドバンテージ源に乏しい黒単にとっては同型戦などにおいて頼もしいサイドボードとなりえそうです。
●このデッキの強み/弱み
まとめると、この『黒単信心』というデッキは・・・
【長所】
・除去が多い上に強力なライフドレインカードをメインから有するため、多くのビートダウンデッキに対して有利です。ライフレースをひっくり返し易く、限られたクロックを捌くことも難しくないためクロックパーミッションなどに対しても有利に立ち回れることが多いです。
・単色構成故に色事故とは無縁であり、パーマネントを並べることがそのまま勝利への近道であるため安定感が高く扱い易さも魅力です。
【短所】
・アドバンテージの獲得方法に乏しく、また基本的に1対多数交換をすることができないためフィニッシュに至るまでにやや息切れしがちです。
・黒単色ゆえ、アーティファクト・エンチャント双方に対処手段が存在しません。それらを軸にしたデッキを苦手とします。
・クリーチャー除去でのマウントを前提とした部分が大きく、また生物の展開速度に難があるため青系の重コントロールデッキやウルザトロンなど生物の採用枚数が少なくかつカードアドバンテージの獲得に長けたデッキも苦手とします。
デッキピックアップ、いかがでしたでしょうか。
皆さんからの意見・質問も募集しております。
次回のピックアップデッキとなれる新たなデッキを目指し、みんなもコウノトリ杯に参加しよう!!!
pauperはいいぞ(定期)
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