第2回 pauper デッキ・ピックアップ『青黒アルケミー』
2017年7月18日 デッキ・ピックアップpauperはいいぞ。
第四回コウノトリ杯にも多くの方がデッキをご持参いただきましたね。
というわけで今回もやっていきます、デッキピックアップです。
ちなみに今更ですが記事のターゲットとしてはpauper経験の浅い、特に参入したての人や参入を考えている人向けの内容となっています。
地元大分には多くのpauper熟練兄貴がいますので、そういった方々にはぜひ補足のコメントをしていただきたいですね。
勿論初心者さんからの質問や、通りすがりの熟練兄貴のコメントもお待ちしてます。
では、今回のピックアップデッキ、『青黒アルケミー』を解説していきましょう。(レシピはクドウさんのDNより引用しております)
●『青黒アルケミー』はどんなデッキ?
puaper界において青黒というカラーリングのデッキは多く存在しますがその中でもコントロール寄りのデッキは2種類に大別できます。
一つは、「Delver-Go」と呼ばれるクロックパーミッション。その名の通り《秘密を掘り下げる者》を変身させ、カウンターで守りつつ殴り勝つデッキです。デルバーに加えて、優良ドロースペル・カウンターの双方がコモンに充実しているためレガシー級の動きを実現することのできる非常にカードパワーに優れたアーキタイプです。
pauperでは運命再編にて《グルマグのアンコウ》を獲得して以来、《思考掃き》や《留意》などのキャントリップ呪文を用いて高速で墓地を肥やしアンコウを高速召喚するタイプの青黒デルバーデッキが一時代を築くほどの隆盛を見せました。
もう一つは、純粋な青黒コントロール。
《秘密を掘り下げる者》を採用せず、土地も多め。除去とカウンター(環境によってはハンデス)を駆使して盤面を構築したのち《熟考漂い》や《グルマグのアンコウ》等のフィニッシャーをゆったりと着地させて勝つ古典的なコントロールデッキです。
デルバー系に比べるとドロースペルや生き物が少ない分、カードアドバンテージを稼げるカードを多く投入でき長期戦に強くなっています。
今回紹介する青黒アルケミーも、純粋な除去コントロールにあたります。
pauper界での青黒コントロールというと、《神秘の指導》を使ったシルバーバレット戦略を駆使した超重コントロールが代表格でしたが、青黒アルケミーはこれの軽量版亜種といえるでしょう。
その理由と採用されているカードについては次項にて。
●注目のカード
このデッキのキーカードは、デッキ名の由来でもある《禁忌の錬金術》です。
Forbidden Alchemy / 禁忌の錬金術 (2)(青)
インスタント
あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見る。それらの1枚をあなたの手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。
フラッシュバック(6)(黒)(あなたはあなたの墓地にあるこのカードを、そのフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後それを追放する。)
青のドロースペルにおいて「三種の神器」と称される《思案》・《定業》・《渦巻く知識》が全てリーガルなpauperでは、これ以外のドローを見かける機会はあまり多くありません。
しかし、今回のクドウさんのレシピを見てもわかるようにこの思案や四枚目の定業を差し置いて採用される《禁忌の錬金術》は実に独特なドロースペルだといえるでしょう。このカードの強さについて以下に解説していきます。
①インスタントで四枚掘れる点
pauperではそもそも軽量ドロースペルに三種の神器があるため、インスタントドローの採用率自体高くはありませんが、やはりコントロールにとって土地を寝かさず構えながら隙あらばドローという動きが可能なのは明確なメリットです。
「上から四枚」と三種の神器より掘れる枚数も多い上、手札に加えられるカードの種類の制限もないため、状況に応じて最も必要なカードを適宜補充できるのは似た立ち位置のカードである《神秘の指導》との差別化点といえるでしょう。
②墓地を肥やせて、フラッシュバックがついている点
同じくトップ四枚を見れる《衝動》とは異なり、選ばれなかったカードは墓地へ送ります。
このため、《グルマグのアンコウ》の探査コストを大きく稼ぎつつアンコウそのものを探したり他のフラッシュバック呪文を墓地に落とすなど墓地リソースを充填することが可能です。
今回のレシピにも《熟慮》や《チェイナーの布告》といったフラッシュバック呪文が多めに採用されており、このカードとのシナジーが重視されていることがわかります。
更に非常に重いながらこれ自体にもフラッシュバックがついており、長期的にはこれ単体でアドバンテージを稼ぐことができる点も見逃せません。
総じて、3マナという重さとデッキを選ぶクセこそあれどアドバンテージやリソースを稼げるインスタントとしては非常に優秀なカードです。
ピンポイントにカードをサーチしてくることにかけては《神秘の指導》に一歩劣りますが、その分シナジーを活かした構築にすることでより効果的なドロースペルとして運用できるわけですね。
筆者個人的な一推しでもありますが、この青黒アルケミーというデッキにおいて最も輝くのはなんといっても《魂の操作》ではないでしょうか。
Soul Manipulation / 魂の操作 (1)(青)(黒)
インスタント
以下から1つまたは両方を選ぶ。
・クリーチャー呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
・あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
《本質の散乱》と《死者再生》の抱き合わせとなっているこのカードは非常に高いポテンシャルを秘めていながら、今まで青黒コントロールでの採用率はあまり高くありませんでした。
先に紹介したデルバー系のクロックパーミッションでは3マナのスペルを積める枠があまり多くない上、デルバーとサルベージカードの相性自体もイマイチです。
一方、「神秘の指導コントロール」ではどうかというとそもそもあまり墓地にクリーチャーが落ちることがありません。アドバンテージを稼げるカウンターというセールスポイントも色拘束の緩い《除外》に取って代わられがちでした。
この点、自ら墓地を肥やすアルケミーは墓地回収モードを積極的に活用できるこの上ない「うまぶり」カードです。墓地に落としたアンコウや《熟考漂い》を回収しつつのカウンターは相手の心を折るには充分でしょう。
Augur of Bolas / ボーラスの占い師 (1)(青)
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk) ウィザード(Wizard)
ボーラスの占い師が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から3枚のカードを見る。あなたはそれらのうちのソーサリー・カード1枚かインスタント・カード1枚を公開し、自分の手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
1/3
モダンマスターズ2017でコモンに格下げされて以来、青の中速デッキでは引っ張りだこになっている《ボーラスの占い師》は勿論このデッキにも採用されています。
2マナ1/3と青の軽量生物らしからぬ頼もしいボディに、アドバンテージがついてくるというコントロールには喉から手が出るほどの円滑油。
このデッキでは《禁忌の錬金術》とのマナカーブ的兼ね合いや、《魂の操作》との相性がよい上、この二枚にアクセスすることのできるカードでもあります。
●このデッキの強み/弱み
まとめると、この『青黒アルケミー』というデッキは・・・
【長所】
・クロックパーミッションほど速い段階からマウントをとることはできませんが、カードアドバンテージの確保に優れています。
・似たタイプである《神秘の指導》コントロールと比べると墓地リソースの活用に長けています。
・単体・全体・布告と除去のスペシャリストであるため生物デッキには滅法強いです。フラッシュバック呪文で打ち消しにもある程度の耐性を持つので、クロックパーミッションやコントロール相手のリソース勝負でもそこそこ戦えます。
【短所】
・フラッシュバック呪文がアドバンテージの根幹をなしているので墓地対策が通常の青黒より致命的にぶっ刺さります。
・相手の墓地活用も比較的苦手です、色の関係上置物にも触れないため《拷問生活》のような特定のエンチャントを軸にするデッキはサイドありきになりがちです。
・悠長なデッキなので、ウルザトロンのような土地コンボデッキも天敵です。土地破壊やハンデスでの対処が基本になりますが、デルバーのような効果的なクロックに乏しいのでどうしても後手にまわりがちになります。
デッキピックアップ、いかがでしたでしょうか。
冒頭にも書きましたように、皆さんからの意見・質問も募集しております。
次回のピックアップデッキとなれる新たなデッキを目指し、みんなもコウノトリ杯に参加しよう!!!
pauperはいいぞ(定期)
第四回コウノトリ杯にも多くの方がデッキをご持参いただきましたね。
というわけで今回もやっていきます、デッキピックアップです。
ちなみに今更ですが記事のターゲットとしてはpauper経験の浅い、特に参入したての人や参入を考えている人向けの内容となっています。
地元大分には多くのpauper熟練兄貴がいますので、そういった方々にはぜひ補足のコメントをしていただきたいですね。
勿論初心者さんからの質問や、通りすがりの熟練兄貴のコメントもお待ちしてます。
では、今回のピックアップデッキ、『青黒アルケミー』を解説していきましょう。(レシピはクドウさんのDNより引用しております)
【クリーチャー】
3:ボーラスの占い師
3:熟考漂い
3:グルマグのアンコウ
1:縞カワヘビ
【呪文】
3:定業
2:無垢の血
1:見栄え損ない
3:熟慮
3:禁制
4:対抗呪文
2:破滅の刃
1:悪魔の布告
3:チェイナーの布告
1:眼腐りの終焉
2:魂の操作
3:禁忌の錬金術
【土地】
3:ディミーアのギルド門
2:ボジューカの沼
4:陰鬱な僻地
4:ディミーアの水路
5:島
4:沼
【サイドボード】
1:禁制
2:水流破
2:居すくみ
3:否認
3:強迫
2:エヴィンカーの正義
2:残響する衰微
●『青黒アルケミー』はどんなデッキ?
puaper界において青黒というカラーリングのデッキは多く存在しますがその中でもコントロール寄りのデッキは2種類に大別できます。
一つは、「Delver-Go」と呼ばれるクロックパーミッション。その名の通り《秘密を掘り下げる者》を変身させ、カウンターで守りつつ殴り勝つデッキです。デルバーに加えて、優良ドロースペル・カウンターの双方がコモンに充実しているためレガシー級の動きを実現することのできる非常にカードパワーに優れたアーキタイプです。
pauperでは運命再編にて《グルマグのアンコウ》を獲得して以来、《思考掃き》や《留意》などのキャントリップ呪文を用いて高速で墓地を肥やしアンコウを高速召喚するタイプの青黒デルバーデッキが一時代を築くほどの隆盛を見せました。
もう一つは、純粋な青黒コントロール。
《秘密を掘り下げる者》を採用せず、土地も多め。除去とカウンター(環境によってはハンデス)を駆使して盤面を構築したのち《熟考漂い》や《グルマグのアンコウ》等のフィニッシャーをゆったりと着地させて勝つ古典的なコントロールデッキです。
デルバー系に比べるとドロースペルや生き物が少ない分、カードアドバンテージを稼げるカードを多く投入でき長期戦に強くなっています。
今回紹介する青黒アルケミーも、純粋な除去コントロールにあたります。
pauper界での青黒コントロールというと、《神秘の指導》を使ったシルバーバレット戦略を駆使した超重コントロールが代表格でしたが、青黒アルケミーはこれの軽量版亜種といえるでしょう。
その理由と採用されているカードについては次項にて。
●注目のカード
このデッキのキーカードは、デッキ名の由来でもある《禁忌の錬金術》です。
Forbidden Alchemy / 禁忌の錬金術 (2)(青)
インスタント
あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見る。それらの1枚をあなたの手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。
フラッシュバック(6)(黒)(あなたはあなたの墓地にあるこのカードを、そのフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後それを追放する。)
青のドロースペルにおいて「三種の神器」と称される《思案》・《定業》・《渦巻く知識》が全てリーガルなpauperでは、これ以外のドローを見かける機会はあまり多くありません。
しかし、今回のクドウさんのレシピを見てもわかるようにこの思案や四枚目の定業を差し置いて採用される《禁忌の錬金術》は実に独特なドロースペルだといえるでしょう。このカードの強さについて以下に解説していきます。
①インスタントで四枚掘れる点
pauperではそもそも軽量ドロースペルに三種の神器があるため、インスタントドローの採用率自体高くはありませんが、やはりコントロールにとって土地を寝かさず構えながら隙あらばドローという動きが可能なのは明確なメリットです。
「上から四枚」と三種の神器より掘れる枚数も多い上、手札に加えられるカードの種類の制限もないため、状況に応じて最も必要なカードを適宜補充できるのは似た立ち位置のカードである《神秘の指導》との差別化点といえるでしょう。
②墓地を肥やせて、フラッシュバックがついている点
同じくトップ四枚を見れる《衝動》とは異なり、選ばれなかったカードは墓地へ送ります。
このため、《グルマグのアンコウ》の探査コストを大きく稼ぎつつアンコウそのものを探したり他のフラッシュバック呪文を墓地に落とすなど墓地リソースを充填することが可能です。
今回のレシピにも《熟慮》や《チェイナーの布告》といったフラッシュバック呪文が多めに採用されており、このカードとのシナジーが重視されていることがわかります。
更に非常に重いながらこれ自体にもフラッシュバックがついており、長期的にはこれ単体でアドバンテージを稼ぐことができる点も見逃せません。
総じて、3マナという重さとデッキを選ぶクセこそあれどアドバンテージやリソースを稼げるインスタントとしては非常に優秀なカードです。
ピンポイントにカードをサーチしてくることにかけては《神秘の指導》に一歩劣りますが、その分シナジーを活かした構築にすることでより効果的なドロースペルとして運用できるわけですね。
筆者個人的な一推しでもありますが、この青黒アルケミーというデッキにおいて最も輝くのはなんといっても《魂の操作》ではないでしょうか。
Soul Manipulation / 魂の操作 (1)(青)(黒)
インスタント
以下から1つまたは両方を選ぶ。
・クリーチャー呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
・あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
《本質の散乱》と《死者再生》の抱き合わせとなっているこのカードは非常に高いポテンシャルを秘めていながら、今まで青黒コントロールでの採用率はあまり高くありませんでした。
先に紹介したデルバー系のクロックパーミッションでは3マナのスペルを積める枠があまり多くない上、デルバーとサルベージカードの相性自体もイマイチです。
一方、「神秘の指導コントロール」ではどうかというとそもそもあまり墓地にクリーチャーが落ちることがありません。アドバンテージを稼げるカウンターというセールスポイントも色拘束の緩い《除外》に取って代わられがちでした。
この点、自ら墓地を肥やすアルケミーは墓地回収モードを積極的に活用できるこの上ない「うまぶり」カードです。墓地に落としたアンコウや《熟考漂い》を回収しつつのカウンターは相手の心を折るには充分でしょう。
Augur of Bolas / ボーラスの占い師 (1)(青)
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk) ウィザード(Wizard)
ボーラスの占い師が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から3枚のカードを見る。あなたはそれらのうちのソーサリー・カード1枚かインスタント・カード1枚を公開し、自分の手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
1/3
モダンマスターズ2017でコモンに格下げされて以来、青の中速デッキでは引っ張りだこになっている《ボーラスの占い師》は勿論このデッキにも採用されています。
2マナ1/3と青の軽量生物らしからぬ頼もしいボディに、アドバンテージがついてくるというコントロールには喉から手が出るほどの円滑油。
このデッキでは《禁忌の錬金術》とのマナカーブ的兼ね合いや、《魂の操作》との相性がよい上、この二枚にアクセスすることのできるカードでもあります。
●このデッキの強み/弱み
まとめると、この『青黒アルケミー』というデッキは・・・
【長所】
・クロックパーミッションほど速い段階からマウントをとることはできませんが、カードアドバンテージの確保に優れています。
・似たタイプである《神秘の指導》コントロールと比べると墓地リソースの活用に長けています。
・単体・全体・布告と除去のスペシャリストであるため生物デッキには滅法強いです。フラッシュバック呪文で打ち消しにもある程度の耐性を持つので、クロックパーミッションやコントロール相手のリソース勝負でもそこそこ戦えます。
【短所】
・フラッシュバック呪文がアドバンテージの根幹をなしているので墓地対策が通常の青黒より致命的にぶっ刺さります。
・相手の墓地活用も比較的苦手です、色の関係上置物にも触れないため《拷問生活》のような特定のエンチャントを軸にするデッキはサイドありきになりがちです。
・悠長なデッキなので、ウルザトロンのような土地コンボデッキも天敵です。土地破壊やハンデスでの対処が基本になりますが、デルバーのような効果的なクロックに乏しいのでどうしても後手にまわりがちになります。
デッキピックアップ、いかがでしたでしょうか。
冒頭にも書きましたように、皆さんからの意見・質問も募集しております。
次回のピックアップデッキとなれる新たなデッキを目指し、みんなもコウノトリ杯に参加しよう!!!
pauperはいいぞ(定期)
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