青いコントロールを作るには
2016年10月12日 環境考察(スタンダード)今更ですが青いデッキが好きです。
基本的に青いデッキを回すのが楽しくてマジックやってます。
別にコントロールにこだわってるわけではないのですが、スタンダードで青メインカラーのデッキ使おうとすると自然とコントロールが多くなってしまうので結果的にコントロールばかり使っていますね。
(昔はジェスカイアグロとかイゼットバーンも組んではいたのですが)
さて、前置きはこの辺に今回は「現環境で青いコントロールを作るには?」というところを考えていきたいと思います。
《青の弱体化》
「昔の青は強かった」、と古参プレイヤーのみなさんが口を揃えるように現代マジックでは青のカラーパイたる「ドロー」と「カウンター」は大きな弱体化を受けています。カウンターは重すぎたり、そもそもカードパワーが低すぎて使い物にならなかったり。特にDTK~EMN期は最有力カウンターは《否認》という悲惨ぶりでした。
ドローに関しても全体的に中途半端でしたが、こちらは極悪ドロー《宝船の巡航》《時を越えた探索》事件の後に汎用性の高いドロースペルを作ることに抵抗があったといわれれば頷けるところはあります。
もっとも、イニストラード期の青のカードが弱いのは概ねオリジンジェイスがいたからという別の事情があったりします。デベロップ段階ではもっとエスパードラゴンやマッドネスを利用した青系コントロールが環境で幅を利かせるのではという懸念があったようですね。実際にはそんなことはまるでなく、開発も「青が反射魔道士とジェイスの色になってしまった」という失敗を認める旨の文章を残しています。
そのイニストラードでの青の衰退に驚いたのか、異界月では多少ですがカードパワーの改善が図られていたように感じます。
《呪文捕らえ》は青白スピリットというアーキタイプをきちんと成立させるためにデザインされたようなパワーカードですが、実際にはカンパニーの強化にしかならなかったのは実に皮肉。
《即時却下》は個人的には青いコントロールへの救済措置として用意された感の強いカードで、かなりピンポイントなサイドカードです。エルドラージ系のためだけにこれを用意したからとっておけ、というメッセージだと感じたコントロールデッカーの皆さんはしかめ面をしたのでは?(無論僕もその一人です)
このほかにも《研究室の捜索》や《偏った幸運》、《非実体化》に《月への封印》のような青らしくかつ面白いカードが散見こそされたものの、結局構築レベルにまででてくることはありませんでした。
さて、ではカラデシュではどうでしょうか。
青いコントロールを組むに充分な理由づけをしてくれるような新カードは、個人的にはこの2枚だと思っています。
・《奔流の機械巨人》
オジュタイ様亡き後、青系コントロール期待の大型フィニッシャー。
重いこと以外に欠点はないが、逆にそこが全て。重いコントロールで使うしかない性能をしている。
・《革命的拒絶》
久々の軽量・汎用カウンター。青コントロールのキープ基準を支える新たな道しるべ。当初の評価も別段低くはなかったけれど、使い始めてからはお気に入りに。「機体」の性質や要求マナを考慮すると、現環境では《マナ漏出》よりも《呪文貫き》に近い一枚だと感じる。(あっちと同じく腐りやすさも半端ではない)
この二枚が終盤・序盤のそれぞれ屋台骨になってこそ青いコントロールが成立してくるでしょう。ここを埋めていくのに大事なのは無論、「色の組み合わせ」です。
《青+???》
では以下に、個人的に青系コントロールとして成立しうるであろうと考えている組み合わせとその裏づけとなるカード達を列挙していきます。
・青白
コントロールの王道、カウンター+スイーパー。《衰滅》亡き今、全体除去のカラーパイは再び白のものとなり青いコントロールは自然とこの組み合わせに辿りつくような気がしています。
コントロールのための全体除去《薫蒸》、コントロールのためのPW《ドビン・バーン》。ここに近年マジックインフレの象徴、白のパワーカード群をぶちこむだけでもかなり強力な盤面制圧力を発揮できるでしょう。
懸念材料は、基本的に「触りにくいパーマネント」として定義されつつあるPWへの対処手段。ギデオンが着地すると途端に後手に回ってしまうのは辛いところです。
・青黒赤
破壊の色グリクシス。青がタッチカラーになりがちでかつ全体除去を《光輝の炎》に頼る形になりますが、赤黒という色の性質上PWにもアグロにもある程度耐性がもてるのはグッド。
下手な青のスペルよりも、赤黒のほうがドローに長けているという歪んだカラーパイによりドロー面でも補填が効きますね。
現環境では有力なインスタント除去《無許可の分解》《蓄霊稲妻》、PWに触れる貴重なスペル《餌食》《破滅の道》、これらを使いまわせる《ゴブリンの闇住まい》。
ただしこの色は置物に触れる手段がなく、何か置かれたが最後なぶり殺しにあうリスクを孕むという課題はカラデシュ環境では大きなものとなりそうです。
・青赤白
万能のトリコロール。ピン除去の質が跳ね上がり、小粒から大型まで幅広く対処可能、クリーチャーヘイトな色の組み合わせ。現在使用中。
最大の魅力は《先駆ける者、ナヒリ》。手札回して硬くて置物も生物も除去できる万能PW。コントロールで使うべきPWながら、色の関係でお呼びがかかりにくいのがスタンダードでは悲しいところですが、この色なら無問題。
ただ、多色のカードでめぼしいのは本当にナヒリくらいで後は《呪文捕らえ》や《反射魔道士》が候補に上げられるかな、程度。
青白と同じくPWに弱い点も変わらず。
・青赤
イゼットカラーの魅力はなんといっても《熱病の幻視》。
《紅蓮術師のゴーグル》が落ちて、マッドネスバーンのようなデッキを組むのは難しくなりましたが《氷の中の存在》は健在。ビジョンと合わせてトリッキーな色らしい型にはまらない勝ち筋の多様さが魅力。
本体に飛ぶ火力も少しは増えてきて、カウンターバーンのような構成もできなくはないか。
こんなところでしょうか。
今後も青いコントロールの可能性を模索しつつスタンダードを楽しんでいこうと思います。願わくば、霊気紛争に強力なテゼレットの登場と青いカード達の登場が果たされんことを!
ではまた次回。
基本的に青いデッキを回すのが楽しくてマジックやってます。
別にコントロールにこだわってるわけではないのですが、スタンダードで青メインカラーのデッキ使おうとすると自然とコントロールが多くなってしまうので結果的にコントロールばかり使っていますね。
(昔はジェスカイアグロとかイゼットバーンも組んではいたのですが)
さて、前置きはこの辺に今回は「現環境で青いコントロールを作るには?」というところを考えていきたいと思います。
《青の弱体化》
「昔の青は強かった」、と古参プレイヤーのみなさんが口を揃えるように現代マジックでは青のカラーパイたる「ドロー」と「カウンター」は大きな弱体化を受けています。カウンターは重すぎたり、そもそもカードパワーが低すぎて使い物にならなかったり。特にDTK~EMN期は最有力カウンターは《否認》という悲惨ぶりでした。
ドローに関しても全体的に中途半端でしたが、こちらは極悪ドロー《宝船の巡航》《時を越えた探索》事件の後に汎用性の高いドロースペルを作ることに抵抗があったといわれれば頷けるところはあります。
もっとも、イニストラード期の青のカードが弱いのは概ねオリジンジェイスがいたからという別の事情があったりします。デベロップ段階ではもっとエスパードラゴンやマッドネスを利用した青系コントロールが環境で幅を利かせるのではという懸念があったようですね。実際にはそんなことはまるでなく、開発も「青が反射魔道士とジェイスの色になってしまった」という失敗を認める旨の文章を残しています。
そのイニストラードでの青の衰退に驚いたのか、異界月では多少ですがカードパワーの改善が図られていたように感じます。
《呪文捕らえ》は青白スピリットというアーキタイプをきちんと成立させるためにデザインされたようなパワーカードですが、実際にはカンパニーの強化にしかならなかったのは実に皮肉。
《即時却下》は個人的には青いコントロールへの救済措置として用意された感の強いカードで、かなりピンポイントなサイドカードです。エルドラージ系のためだけにこれを用意したからとっておけ、というメッセージだと感じたコントロールデッカーの皆さんはしかめ面をしたのでは?(無論僕もその一人です)
このほかにも《研究室の捜索》や《偏った幸運》、《非実体化》に《月への封印》のような青らしくかつ面白いカードが散見こそされたものの、結局構築レベルにまででてくることはありませんでした。
さて、ではカラデシュではどうでしょうか。
青いコントロールを組むに充分な理由づけをしてくれるような新カードは、個人的にはこの2枚だと思っています。
・《奔流の機械巨人》
オジュタイ様亡き後、青系コントロール期待の大型フィニッシャー。
重いこと以外に欠点はないが、逆にそこが全て。重いコントロールで使うしかない性能をしている。
・《革命的拒絶》
久々の軽量・汎用カウンター。青コントロールのキープ基準を支える新たな道しるべ。当初の評価も別段低くはなかったけれど、使い始めてからはお気に入りに。「機体」の性質や要求マナを考慮すると、現環境では《マナ漏出》よりも《呪文貫き》に近い一枚だと感じる。(あっちと同じく腐りやすさも半端ではない)
この二枚が終盤・序盤のそれぞれ屋台骨になってこそ青いコントロールが成立してくるでしょう。ここを埋めていくのに大事なのは無論、「色の組み合わせ」です。
《青+???》
では以下に、個人的に青系コントロールとして成立しうるであろうと考えている組み合わせとその裏づけとなるカード達を列挙していきます。
・青白
コントロールの王道、カウンター+スイーパー。《衰滅》亡き今、全体除去のカラーパイは再び白のものとなり青いコントロールは自然とこの組み合わせに辿りつくような気がしています。
コントロールのための全体除去《薫蒸》、コントロールのためのPW《ドビン・バーン》。ここに近年マジックインフレの象徴、白のパワーカード群をぶちこむだけでもかなり強力な盤面制圧力を発揮できるでしょう。
懸念材料は、基本的に「触りにくいパーマネント」として定義されつつあるPWへの対処手段。ギデオンが着地すると途端に後手に回ってしまうのは辛いところです。
・青黒赤
破壊の色グリクシス。青がタッチカラーになりがちでかつ全体除去を《光輝の炎》に頼る形になりますが、赤黒という色の性質上PWにもアグロにもある程度耐性がもてるのはグッド。
下手な青のスペルよりも、赤黒のほうがドローに長けているという歪んだカラーパイによりドロー面でも補填が効きますね。
現環境では有力なインスタント除去《無許可の分解》《蓄霊稲妻》、PWに触れる貴重なスペル《餌食》《破滅の道》、これらを使いまわせる《ゴブリンの闇住まい》。
ただしこの色は置物に触れる手段がなく、何か置かれたが最後なぶり殺しにあうリスクを孕むという課題はカラデシュ環境では大きなものとなりそうです。
・青赤白
万能のトリコロール。ピン除去の質が跳ね上がり、小粒から大型まで幅広く対処可能、クリーチャーヘイトな色の組み合わせ。現在使用中。
最大の魅力は《先駆ける者、ナヒリ》。手札回して硬くて置物も生物も除去できる万能PW。コントロールで使うべきPWながら、色の関係でお呼びがかかりにくいのがスタンダードでは悲しいところですが、この色なら無問題。
ただ、多色のカードでめぼしいのは本当にナヒリくらいで後は《呪文捕らえ》や《反射魔道士》が候補に上げられるかな、程度。
青白と同じくPWに弱い点も変わらず。
・青赤
イゼットカラーの魅力はなんといっても《熱病の幻視》。
《紅蓮術師のゴーグル》が落ちて、マッドネスバーンのようなデッキを組むのは難しくなりましたが《氷の中の存在》は健在。ビジョンと合わせてトリッキーな色らしい型にはまらない勝ち筋の多様さが魅力。
本体に飛ぶ火力も少しは増えてきて、カウンターバーンのような構成もできなくはないか。
こんなところでしょうか。
今後も青いコントロールの可能性を模索しつつスタンダードを楽しんでいこうと思います。願わくば、霊気紛争に強力なテゼレットの登場と青いカード達の登場が果たされんことを!
ではまた次回。
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