カラデシュ参入後スタンダードの環境予想
皆さん誰もが、カラデシュ参入後の自分のデッキについて夢想している頃と思いますが、今回は唐突にそんな新環境のスタンダード序盤環境について簡単に予想したいと思います。
主観入りまくってるんで、あくまで話半分でお願いします。
ちょっと長いですが、お付き合いいただければ幸いです。


①DTK・ORI退場による環境の変化

新しく入るカード達はひとまずおいて、タルキール龍紀伝およびマジック・オリジンのローテーション落ちで何が今の環境からなくなってしまうのかを考えてみましょう。

・全体除去(スイーパ)の変化

最も大きいのは間違いなく《衰滅》及び《悲劇的傲慢》の退場です。
特に衰滅の退場は大打撃で、《包囲サイ》なき後にタフ5の強力生物なんぞ早々でてくるはずもなく、白人間を筆頭に多くのアグロデッキは衰滅の前に散っていきました。オルゾフカラーの除去コントロールという、古典的ボードコントロールが環境になりたったのも衰滅のおかげです。白黒コントロールは全体除去という最も大きなファクターを失い、白の全体除去に頼らざるを得なくなります。しかしカラデシュフルスポイラーが公開された現在、白の全体除去は(《激変の機械巨人》を除き)全て《無私の霊魂》と《大天使アヴァシン》にインターセプトされるという致命的なリスクを抱えています。これはアグロデッキとボードコントロールデッキのバランスにおいて非常に大きな変化です。

・ミッドレンジ向けカードの退場

環境後期では一部を除いてまるで空気でしたが、多色推奨環境であるタルキール・ブロックの優良スペルの数々はその多くがミッドレンジ向けのカードでした。
龍王サイクル・命令サイクルを筆頭に、ドラゴン・ボーナスサイクルや住み処の防御者など高いカードパワーを持つスペルが退場するのは大きいです。特に命令サイクルはドロコマ・コラコマの二つが環境から置物を駆逐するレベルで強力だった(その前が置物の強力なテーロスブロックだったので仕方ないといえば仕方ないですが)ため、今後はメイン・サイドとも置物対策の枠について考える機会が増えるでしょう。

オリジンの両面PWサイクルの退場は更に影響が大きく、特に《ヴリンの神童、ジェイス》と《巨森の予見者、ニッサ》の二体は環境のミッドレンジの序盤を支える貴重なカードでした。PWでもある、という特性上代えが効くような代物ではないため、これからのミッドレンジは序盤~中盤のアドバンテージ確保に苦心することになりそうです。


・単体除去とカウンター
全体除去に大きな変化があったのに対し、DTK・ORI共に単体除去スペルが貧弱だったために現状の主要なピン除去の多くは戦乱のゼンディカー・ブロック及びイニストラードを覆う影ブロックのカードです。
白…《石の宣告》・《停滞の罠》
黒…《闇の掌握》・《破滅の道》
赤…《焼夷流》・《集団的抵抗》
単純な除去スペルとして用いられているのは現環境においてもこのくらいで、これらは今後の環境でも積極的に選択されるカードになるでしょう。

また、前ブロックに続きカラデシュでも青のカウンター系スペルは(僕としては非常に残念なことに)貧弱な傾向です。
《意思の激突》という汎用性の高いカウンター(それでもカードパワーは低いと思いますが・・・)を失い、さらに青が濃くないデッキで打ち消しの枠を割くかどうかは非常に難しく、これからも環境最有力カウンターが《否認》という状態はしばらく続きそうです。

まとめると・・・

○全体除去の弱体化と《無私の霊魂》の兼ね合いで、ボードコントロールの確立は難しくなるのでは
○ミッドレンジ向けのカードの退場と、ドロースペルの弱体化の流れとあわせミッドレンジ以降のデッキではアドバンテージ源の選択肢が絞られがちに
○単体除去は今までどおり、カウンターは更に弱体化の傾向でボードアドバンテージの確保ができるカードの重要性が増加しそう



②カラデシュ導入直後の環境で注意したいカード

「ローテーション直後はアグロが強い」というのは定説の一つですが、これはつまりメタが定まっていないときは「相手の動きに左右されにくい」「自分の動きを相手に押し付ける」ようなデッキ、アンフェアデッキの方が強いということです。イニストラードを覆う影導入直後の環境からカンパニー系が大いに隆盛したのはカンパニーの前環境での活躍は勿論、単純にカンパニーの稼ぎ出す暴力的なアドバンテージ、つまりアンフェアな部分に追従できるようなデッキが少なかったからです。(カンパニーがアンフェアデッキか、というと些か語弊がありますが)
流石にカンパニーほど露骨なパワーカードは今回はなさそうですが、それに値するようなキーカードは何か。個人的な予想で、下記にいくつかピックアップしてみました。


・《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
カンパニーに続いて、環境に残ったパワーカードとしてギデオンは最もわかり易い一枚だと思います。単体で7点クロックをすぐさま準備できる上、重ね引きしても腐らないというPWの弱点を克服しながらもアグロ系ビートダウンにも採用可能なマナコストに収まっている汎用性の高さから混沌している環境においてこそどのデッキから飛び出してくるかわかりません、特に注意したいところです。対処が難しいカードでありながら、速やかにゲームを終了させるだけのパワーがあるまさにアンフェアなPW。アグロなら展開力で抑止、ミッドレンジならPWへの対処手段を用意してイージーウィンを防ぎたいですね。
白人間は勿論ですが、トークン生成能力が新キーワード「搭乗」と相性がいいので赤白のドワーフデッキやアーティファクトデッキでも姿を見るかも知れません。相手のマナベースの白が濃ければ真っ先に注意です。


・《熱病の幻視》
元々強力なカードであることが指摘されていましたが、《ドロモカの命令》が晴れてスタン落ちすることで非常に動き易くなるであろう一枚です。
文字通り「置いておくだけで勝てる」カードなので、特にミッドレンジ以降のデッキは何かしら対処手段を用意しておかないと何もできず負けてしまう目算が高いです。
アグロデッキにはあまり関係ないカードに思えますが、赤にはまだ全体火力が複数残っているため単純に除去を引き当てるドローソースとして運用されるのが厄介です。4積みが前提になるカードなので、放っておくと勝手に2枚目3枚目を引っ張ってくるのが非常に面倒。
幸い色拘束とその能力の性質上入っているデッキは非常にわかり易いので、イゼットカラーを見たらこのカードは常に頭の隅においておきたいですね。


・《最後の望み、リリアナ》
異界月直後より活躍し続けるリリアナも要注意の1枚です。一度着地するとタフ1の人権が完全に消滅するため、1マナクリーチャーやトークンを多用するデッキでは突破が非常に困難です。
ミッドレンジ以降のデッキにとっても、奥義が勝利に直結する軽量PWというだけで非常に厄介。先に紹介したギデオンには些か弱いですが、黒のシンボルが濃いということで、リリアナを使えるデッキでPWに対処するのはそこまで難しいとは思えません。
ギデオンと同じく、展開力かPW破壊で対処しなければなりません。

 
このほかにも、《反射魔道士》・《呪文捕らえ》・《残忍な剥ぎ取り》など注意したいカードはいくつかあるのですがこれらは場にあるだけで勝利に繋がってしまうほどアンフェアなパワーは持っていないと思います。
とにかく、3~4マナ圏から飛び出してくる置物系のフィニッシャーには注意です。



③カラデシュ導入直後、注意したい既存のアーキタイプ

では、①と②を総合して既存のテーマでは最終的にどのようなデッキが流行るのか。
ちょっと踏み込んで予想していきたいと思います。

・白系人間ビート
《無私の霊魂》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が採用された、骨太な人間アグロは素直に組み易そうかつ《衰滅》のない環境では大いに暴れられるでしょう。《永遠の見守り》で順当に並べて殴るか、ミラー意識で《反射魔道士》と《呪文捕らえ》の採用されたタイプになるのかはわかりませんが、単純なクロックの速さならピカイチだと思います。


・青赤バーン
人間デッキが多いならば若干厳しそうですが、プロツアーがそれをも見越した環境になるなら《熱病の幻視》が特にメイン戦では非常に強いと思います。サイドの置物対策が増えるのは逆風なので、そこをどう克服するかが課題でしょうか。
また、対処が難しい《氷の中の存在》を効果的に運用できるデッキとしての期待値も高いですね。

・黒緑昂揚
リリアナを無理なく複数枚使うことができ、優秀な単体除去に加えて《森の代言者》や《残忍な剥ぎ取り》のような序盤~後半まで隙のないクリーチャーを採用できる黒緑昂揚はミッドレンジながら素早くマウントをとりにいくことに長けており安定性が高そうです。加えてクリーチャーのサーチ&サルベージでロングゲームにも対応、フィニッシュにエムラクールまで控えておりコントロールにも強い構造です。
サイドに置物対策もとれるので、衰滅なき後のボード制圧力の不足さえ克服できるならば最もプロアクティブなデッキとなりそうな予感がします。



いかがだったでしょうか?
環境考察なんて大口たたいておいて実際にフタをあけてみればまるで予想が当たってない、なんてことになったら笑いものですが個人的にはこのような予想をしております。
皆様の意見もぜひお聞かせいただければと思います。
長文を読んでいただきありがとうございました。

コメント

†HAL†
2016年9月21日18:22

リンクさせて頂きました。

よろしくお願いしますoyz

サカイ@レアトマ中央
2016年9月26日22:28

>†HAL†さん

リンクありがとうございます、こちらもリンクさせていただきましたのでよろしくお願いします

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索